伊達さゆり、“あしあと”の先で見つけた光――2nd写真集『シルエット』に込めた想い
――伊達さんのお気に入りのカットは?
“金魚街”という場所で撮影したカットが特にお気に入りです。その名のとおり、通り沿いに金魚を売るお店がずらっと並んでいて、どのお店にも泳ぐ金魚がぎっしり。日本ではなかなか見られない光景で、現場に着いた瞬間、思わずテンションが上がりました。
写真で見ると、とても幻想的で美しいのに、どこか少し“怪しさ”や“熱気”のようなものも感じられるんです。その独特な空気感がすごく好きで。まるで街全体が呼吸しているような、不思議な魅力のある場所でした。
撮影は少し大変で、天井近くまで何段にも水槽が重なっていたので、私も少し高い場所に上がって撮っているんです。すると、上のほうから水がポタポタと落ちてきて(笑)。スタッフさんたちがそれをよけながら進行してくださって、本当にチームで作り上げた一枚になりました。
伊達さゆり 2nd写真集『シルエット』掲載カット 撮影/藤原宏
――衣装も彩り豊かで素敵ですね。
伊達:こういう色味のある羽織りものがすごく好きなんです。今回の撮影でも「こういう衣装が着たいです」とお願いして、スタイリストさんに選んでいただきました。普段から着てみたい気持ちはあるんですけど、少し勇気が出なくてなかなか挑戦できなかったんですよね。
でも、実際にこの街並みの中で羽織ってみたら、街並みにも馴染んで、とても映えていて。まるで魔法をかけられたような感覚になりました。色味も本当に自分好みで、撮影中もずっと気分が上がっていました。
伊達さゆり 2nd写真集『シルエット』掲載カット 撮影/藤原宏
――“素の自分”と“表現者としての自分”、今回の写真集ではどちらがより強く出ていると思いますか?
伊達:“素の自分”だと思います。1st写真集のときも「等身大の自分を撮りたい」と思っていたんですが、当時はデビューしたばかりで、自分でもまだ“素の自分”がよく分かっていませんでした。今振り返ると、少しぎこちなくて、それが初々しさにもつながっていたのかなと思います。
一方で今回は、行きたかった海外での撮影ということもあり、心からリラックスして臨めました。どういう笑顔や表情が自分らしいのかを感じながら、自然体でカメラの前に立てた気がします。
少しおちゃめな表情やふざけたポーズもたくさんあって(笑)、そういう部分も含めて“本当の私”が写っていると思います。1stでは見せきれなかった自然な自分を、ようやく表現できた気がします。
伊達さゆり 2nd写真集『シルエット』掲載カット 撮影/藤原宏
――写真集を通して、どんな“伊達さゆり像”を感じてほしいですか?
伊達:今回の写真集では、ロマンチックな場所や大人っぽい衣装も多いんですが、撮影中の私はずっと“楽しい”気持ちでいっぱいでした。
最近は「楽しい」という言葉をとても大切にしていて。たとえ少し落ち込むことがあっても、「これ、楽しいな」「好きだな」と思える瞬間があるだけで、前を向ける気がするんです。だから撮影でも、その“楽しさ”を忘れずにいたいと思っていました。
大人っぽく決めているカットの中にも、自然と笑顔がにじんでいると思います。そんな“ハッピーな空気”を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

