伊達さゆり、“あしあと”の先で見つけた光――2nd写真集『シルエット』に込めた想い
――2021年に声優デビューした伊達さんですが、これまでの活動を振り返って「ここは変わったな」と思う部分や、成長を感じる部分はありますか?
伊達:デビューした当時は、「声優になりたい」という思いだけで突き進んでいました。右も左も分からない中で、たくさんの方に支えていただきながら、少しずつ経験を積んでこれたなと感じています。
今年で5周年を迎えるんですが、ようやく心が落ち着いてきたように思います。よく“社会人3年目くらいで少し余裕が出てくる”と言われますが、今まさにそんな時期なのかもしれません。
成長した部分を挙げるとすれば、技術よりも“気持ちの面”です。以前は「自分らしさって何だろう」と悩むことも多かったのですが、応援してくださる皆さんが「そのままでいいよ」と言ってくださって。その言葉にすごく救われました。
そこから、無理に何かを作ろうとせず、“自分らしくいること”を大切にできるようになりました。今回の写真集で見せている自然な笑顔や楽しさも、そんな心の変化から生まれたものだと思います。

――ファンの皆さんとのつながりが、伊達さんの支えになっているのですね。
伊達:本当にそう思います。自分の声を聞いて「笑顔になれた」「前向きになれた」と言ってもらえることが、何よりもうれしい瞬間です。そうした言葉に出会うたびに、“また頑張ろう”という気持ちが自然と湧いてきます。応援してくださる皆さんの存在が、私の原動力です。
――また、最近では地元・宮城県に関わるお仕事も増えていますよね。
伊達:そうなんです。先日も仕事で帰省した際に、街で「テレビで見たよ」と声をかけていただいて。地元で放送されている番組をきっかけに知ってくださったそうで、改めて、宮城の皆さんとのつながりを実感できたとてもうれしい出来事でした。

――最後に、これからの目標や発信していきたいことを教えてください。
伊達:少し先ほどのお話にも通じるんですが、これからは“楽しい”という気持ちをいろんな形で届けていけたらいいなと思っています。
自分自身の心を「楽しい」と感じるところまで持っていくのも、実はすごく難しいことで。それを誰かに感じてもらうとなると、もっと難しいことだと思うんです。でも、だからこそ挑戦しがいがあるというか。
私自身、これまでたくさんの人に“楽しませてもらってきた側”なので、今度は自分がその楽しさを少しでも届けられるようになりたいです。見てくださる方の中に、ほんの少しでも、“明るい気持ち”や“前向きな感情”が増えるような、そんな活動をしていけたらと思っています。

(取材・文・写真:吉野庫之介)
伊達さゆり 2nd写真集『シルエット』は、11月6日発売。

