のん、30代は「天井知らずで表現を突き詰めたい」 吉永小百合&田部井淳子から刺激

――今回は同じ役を演じるということで共演シーンはありませんでしたが、吉永小百合さんの魅力はどんなところにあると感じられましたか?
のん:本当にパワフルですよね。水泳や運動も続けていらっしゃるので元気ですし、明るくってとても優しい方です。美しくてとても神々しいので、お会いするたびに「良い恩恵をいただいているな」「ありがたいな」という気持ちになります。
東京国際映画祭でもお着物の帯に田部井さんのプリントや、エベレストのプリントがされていて。そういうところにも思いやりや愛情深さを感じました。映画への愛にもあふれていますよね。
――次回共演が叶うとしたら、どんな役どころを演じてみたいですか?
のん:うわぁ~! どんな作品がいいだろう…。次は同じシーンを演じられる役柄がいいですね。たとえば、吉永さんが大企業の会長で、私がその秘書。ライバル企業を打ち倒すために作戦を立てるバディのような感じとか…。
親子でもいいし他人でもいいんですけど、人間ドラマでもご一緒したいです。吉永さんが書店を営んでいて、私がそこに通い詰めていて、おすすめの本を教えてもらったり。そういうほっこりする作品もいいですね。
あとは何があるかな…。今回は登山だったので、スイミングスクールみたいなところで出会って、私が「この人カッコいいな」って惹かれていって吉永さんに「友達になってください!」っていうみたいな、年齢を超えた友情物語もやってみたいです。もういっぱい思いついちゃいます(笑)。

――本作を楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。
のん:田部井さんの人生、自分で自分の人生を豊かにしていくというパワーや、田部井さんを支えてくれる人々とのつながりなど、ひとりの女性の豊かなドラマが詰まっています。これから自分が生きていくうえで、“こんなふうに生きられたら最高なんじゃないか”と思えるような、人生の指針になるような映画です。
この映画は田部井淳子さんの映画でもあるんですけど、吉永小百合さんがこれまで映画の道を追求してきて、それこそてっぺんの向こうを見てきた方だと思うんですね。その感じが重なって見えて、小百合さんが刻まれた映画だとも思っています。特別な映画だと思うので、ぜひ劇場にお越しいただけるとうれしいです。
――最後に、田部井さんは35歳でエベレストに登頂されましたが、現在32歳ののんさんが30代のうちにチャレンジしてみたいことはどんなことでしょうか?
のん:30代でチャレンジしてみたいこと…。天井知らずで表現を突き詰めたいです。
(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、全国公開中。

