のん、30代は「天井知らずで表現を突き詰めたい」 吉永小百合&田部井淳子から刺激
映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』場面写真 (C)2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会
――純子と正明の夫婦関係が、信頼感にあふれていてとても素敵でした。
のん:吉永さんと佐藤さんが演じられるシーンを見学させていただいて、おふたりが出されている空気感を大事にしましたし、田部井さんと(夫である)政伸さんが書かれたエッセイも参考にして臨みました。政伸さんから見た淳子さんの姿や淳子さんからもらったラブレターについて書かれていて、とても面白かったです。
おふたりが互いにリスペクトしあって愛情を持っている関係が素晴らしいですよね。でもどこかお互いにマイペースなところもあるご夫婦なんじゃないかとも感じました。
――2人の関係性を紡ぐうえで、青年期の正明役を演じられた工藤阿須加さんとは何かお話をされましたか?
のん:役に対して何か特別にお話したということはなかったです。でも、現場で工藤さんから畑で育てていらっしゃるお野菜の話とかをお聞きして、優しく接していただき、正明さんのあたたかさもこういうところにあるのかなと自然と役に入ることができました。
――阪本順治監督とは初タッグになります。
のん:監督からは「吉永さんにも同じ言葉を渡しているんだ」と、監督が思う純子のイメージ、純子の精神性みたいなものを書き出した紙をいただきました。純子を解釈する上で必要な土台になるものだったので、いろんな資料と掛け合わせて純子というキャラクターを形成していきました。いただいた紙は撮影中も現場のバッグに入れてお守り代わりにしていましたね。

