古賀葵が見つめた“四宮かぐや”の成長と7年の軌跡――『大人への階段』で描かれる、恋のその先
――PVでは“大人になったかぐや”の姿も描かれています。大人かぐやを演じる際に、意識したことを教えてください。
古賀:最初に台本をいただいた時、「あれ? なんかいつもと違うぞ……?」と思ったんです。読み進めていくうちに、「大人やん……!」って(笑)。そこで初めて、“大人になったかぐや”が描かれるんだと知りました。
原作はもちろん読んでいましたが、この“大人かぐや”は、原作にも描かれていない、本当に知らない姿のかぐやなんですよね。だからこそ、「どうしよう……」という気持ちも正直ありました。私自身も、皆さんと同じように見たことのない未来のかぐやを、想像しながら補い、形にしていかなければならなかったので、すごく緊張しました。
ただ、現場に行くと「じゃあ、とりあえずやってみましょうか」という雰囲気で始まって(笑)。ドキドキしながらも、そこから少しずつ、大人のかぐやに向き合っていった感じです。
前作の収録から約3年という時間が空いていたことも、大きかったのかもしれません。これまでの思い出を、アルバムをめくりながら、ひとりで語っていく。その感覚が、自然と自分の中にもあったんです。アニメが始まってから数えると、7年ほどの時間が流れていて、思い出がちゃんと“アルバムの記憶”として残っていた。その空白があったからこそ、あのアルバムのシーンは生まれたんだろうな、という気がしています。
『かぐや様は告らせたい 大人への階段』場面カット(C)赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会
――久しぶりに集結した『かぐや様』チームでの収録はいかがでしたか?
古賀:会長役の古川慎さんとは、今回ほぼ全編をご一緒できたので、本当にありがたかったですね。一方で、『大人への階段』の収録で久しぶりにお会いする方も結構いらっしゃって。どこか同窓会のような気持ちもありつつ、「またここから始まるんだな」という緊張感もあり……少し恥ずかしいというか、話しかけるのにもドキドキしてしまって。もしかしたら、ちょっとよそよそしく見えていたかもしれません(笑)。
そんな中で、ナレーションの青山穣さんが、会った瞬間に「わ〜古賀ちゃ〜ん!」って、いつも通りのテンションで迎えてくださって。それが本当に嬉しくて、「ああ、帰ってきたな」って気持ちになりました。喜びがぎゅっと詰まった、あたたかい収録だったなと思います。
それから、藤原千花役のここちゃん(小原好美さん)とも、今回は一緒に収録できました。別の現場やプライベートでは会っているんですけど、それでも「この場所で会うのはちょっと緊張するな」という、不思議な感覚があって。久しぶりに集まったキャストの皆さんも、スタッフさんも、ずっと一緒に作品を作ってきた“知った顔”ばかりだからこそ、3年という時間を経ての再集結には、自然と気合いが入りました。
原作では描かれていなかった部分も少しずつ加わっていて、「よし、やるぞ」「戦うぞ」というような、いい意味での緊張感が現場にあったんです。その空気感も含めて、とても印象に残るアフレコでしたね。

