山崎育三郎、「ミュージカル界の起爆剤に」新グループオーディションをプロデュース “日本発の作品を世界へ”夢の第一歩

――山崎さんの言葉からは日本発ミュージカルへの思いを強く感じます。近年は韓国ミュージカルも多く日本で上演されていますが、山崎さんの目には現在の日本ミュージカル界はどのように映りますか?
山崎:僕が20代の頃には考えられないほど盛り上がっていて、チケットが取れない公演も多くなっていますし、メディアでもたくさん取り上げていただけるようになったというのは、本当にありがたいことだなと思います。でもそれと同時に、やっぱり海外の作品をやり続けているというのも現状で、韓国に比べると日本オリジナルのミュージカル作品は圧倒的に少ないし、作る環境もまだ整っていないというのもあります。
20年近く前に韓国発のミュージカルに出演したことがあるのですが、その作品は韓国のオリジナルミュージカルが世界で上演される第1号だったので、韓国で制作発表をやったんですね。パーティーの場で韓国の役者さんやスタッフの方とお話した時に、「『ライオン・キング』『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』も好きだけど、僕らは韓国発のミュージカルを世界に出したい」と皆さん話されていることがすごく衝撃でした。それから十何年経ち、韓国ミュージカルがK-POPやNetflixのドラマと同じようにものすごい勢いで盛り上がっていて、日本でも多く上演されているし、近年ではトニー賞まで受賞している。アジアの中では日本が圧倒的にミュージカルの歴史が長いのにそういう現状で、海外の作品を借りると著作権利も含めて莫大なお金がかかるのでロングランでチケットが圧倒的に売れる作品をやり続けるしかビジネスとしては難しいというのも現実です。
日本で全ての権利を確保して、それがいろんな国で上演されるとならない限り、日本でミュージカルをやりたいという子どもたちは増えないし、日本のミュージカルに携わってくださっているスタッフさん、役者の収入や生活ももっと守っていかなくてはいけない。韓国のように国の支援やバックアップがあるわけじゃないので、個々でそれを背負って赤字覚悟でやるしかないのが現状なんだけれども、今は自分ができる限りそこに思いを乗せてやっていきたいと思っています。
――昨年ご出演されたミュージカル『昭和元禄落語心中』は、山崎さんの発案で誕生した作品で内容も興行面でも大成功でした。
山崎:難しいのではないかと言われたところからスタートしたのですが、結果的には全公演チケットが完売して10万人近くの方に観ていただけました。お客様にもすごく喜んでいただけましたし、次に繋がる初演ができたと手応えがあります。

――今年は、『OK!Diamonds』と並行して、ニューアルバムのリリースと全国ツアーがあり、2027年早々には『ファインディング・ネバーランド』の再演も控えられるなど、フル回転の年になりそうですね。
山崎:ミュージカル、ドラマ、映画、バラエティー、ラジオといろんなことをやらせていただいている中で、アーティスト活動はその全部の自分を表現する場所です。「朝ドラで好きになって来ました」「『美女と野獣』で好きになって来ました」「『おしゃれクリップ』見て好きで来ました」といろんなところで自分を知った方が集まってくださる前でパフォーマンスをするという、いろんな活動の全てを凝縮した場所、これが今の自分なんだって再確認できる場所なんです。ミュージカルとはまた違うベクトルで自分と向き合えるので、やりがいがありますね。
――今年40歳になられましたが、どんな40代になりそうですか。
山崎:このオーディションも『昭和元禄落語心中』もそうですが、これまでの活動の中で感じたり考えたり、ずっと思ってきたことをようやく形にできるような年になったと言いますか。昔の自分では若くて未熟で経験もなくて、言った通りに誰も集まってくれない。それならまず自分がとにかく頑張って、「育三郎が言うんだったらやるよ」といろんな人たちを巻き込めるところまで自分を高めていこうとこれまで走ってきた感じがあります。デビューした12歳の時から数えると28年経ちますが、ある意味「本当に僕はこれがやりたいんです」というスタートラインにようやく立てた感じがしています。
これまで通り心動く作品には積極的にチャレンジしていきたいし、それにプラスして、このオーディションのように次の世代にチャンスを与える活動もしていきたい。より大変な10年になると思いますが、ワクワクも止まらない40代になる予感がしています。
(取材・文:近藤ユウヒ 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])
ミュージカル×ボーイズグループオーディション『OK!Diamonds』は、4月7日23時59分までWEB応募を受付中。オーディションの模様は後日YouTubeにて公開。

