「いぃよぉ~」吉本新喜劇座長アキが別人に! 自身の“全て”と語る時代劇『時が来た』今夏、東京・名古屋で再演
「いぃよぉ~」のギャグでおなじみの「吉本新喜劇」座長・アキ。「吉本新喜劇座員総選挙」では2022~24年に3年連続1位を獲得し殿堂入りするなど人気を博す彼が、2025年3月に『吉本新喜劇アキプロジェクト「時が来た」』を初演。幕末の動乱の中で思いをたぎらせる土佐の志士たちを描いた青春時代劇を緊張感・迫力たっぷりの殺陣&アクションで魅せる本舞台は、好評を得てすぐさま再演が決定。今年1月の大阪公演に加え、今夏、その“熱さ”が東京・名古屋を席巻する。現在56歳のアキが「僕の“全て”」だと語る、まさに全身全霊の舞台。東京・名古屋での上演を前にアキがその思いを語ってくれた(ネタバレあり)。
【写真】吉本新喜劇座長アキ56歳、ダンディーな魅力あふれる撮り下ろしカット
■「35年前から時代劇をやりたいという思いがあった」 アキの原点から生まれた『時が来た』
――本作は幕末を舞台に、実在の人物をモデルにした土佐藩士・千屋虎之助、岡田以蔵、武市半平太、坂本竜馬の幼なじみ4人が時代の波に翻弄されながらも、葛藤や自身の矜持を守ろうとする姿が描かれる群像劇。土佐弁での長ゼリフもある時代劇、かつ大所帯で体力も要る非常にエネルギッシュな舞台で、それゆえにすさまじい熱気と迫力が伝わってきましたが、こうした時代劇を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
僕は吉本興業に入る前、18・19歳の頃に東映京都撮影所でスタントマンをやらせてもらっていたんです。その時から、日本をいい国にしようと奮起した幕末の志士たちの熱い思いを、時代劇を通して表現できたらいいなと思っていました。その後、僕は吉本に入りましたが、心のどこかでずっと時代劇をやりたいと思っていて、吉本新喜劇の座長に就かせていただいてからマネージャーに相談して、実現しました。
――上演後の反響はいかがでしたか?
反響は大きかったです。本気の殺陣や号泣する芝居とか、僕が吉本に入ってからこうした姿を見せたことがなかったので、「別人」「新喜劇の顔と全然違う」と、めちゃくちゃ言われました(笑)。おかげさまで、皆さまから高い評価をいただきましたし、「演劇を観に来て泣いたの初めてや!」という方も数多くいて、「やってよかったな」と思いました。上演して1ヵ月も経たないうちに再演の声が上がって、大阪での再演が終わったら今度は「大阪だけで終わらせるのはもったいないから東京と名古屋でもやりましょう!」という話になったんです。
『吉本新喜劇アキプロジェクト「時が来た」』より 画像提供:吉本興業
――本作では、アキさんが演じる虎之助をはじめ、メインキャストとしてお笑いコンビ・水玉れっぷう隊でアキさんの相方であるケンさんが岡田以蔵役、吉本新喜劇の西川忠志さんが武市半平太役、そして殺陣の演出もされている劇団「STAR☆JACKS」のドヰタイジさんが坂本竜馬役を演じますが、改めてキャスティングのこだわりを教えてください。
僕の中で35年前から時代劇をやりたいという思いがあったので、大阪で吉本新喜劇に入ってから10年間、「武市は忠志さんやな。Aくん、Bくん、Cくんもありやな」「以蔵は…ケン以外なら誰やろうな」「この役はこの人かな」とか、自分の中のイメージと照らし合わせながらずっと人を見ていたんです。これはある意味、すごく長いオーディションだったんです、自分の中での(笑)。
――それはすごいですね!(驚)
はい(笑)。だから、キャストが決まるのも早かったです。この舞台は、僕自身、東映時代の本名の「荒木良明」として出るつもりで、新喜劇のアキを全く見せたくないと思っていました。ですから、この舞台では「いぃよぉ~」も言わないですし、笑いもお芝居の流れで取っています。演出をお願いしたドヰさんにも「殺陣が上手い人しか出さない」という考えを伝えました。結果、事務所もバラバラなんですが、本当に殺陣が上手い人が集まりました。普段からちゃんと舞台で殺陣をしている人がほとんどですし、殺陣の上手い人が僕の見てないところでもすごく練習してくれていたんです。稽古の時点ですでに「お前、そこまでやるんか! じゃあ、俺も負けてられねぇな」みたいな空気もあって、役者の皆さんの相乗効果が見られたのがすごく気持ちよかったです。役者の皆さんから熱い心をいただけました。
――その稽古場の熱量も物語とシンクロしていますね。
そうなんです。僕自身、稽古の時からそういう熱量でやっていかないと、と思っていました。稽古が終わったら、ずっとふざけて、笑いばっかりなんですけどね(笑)。だから演劇の役者の皆さんが「こんなに楽しい現場ってあるんですね」と言っていました。いざ稽古が始まったら、みんなが顔色を変えて挑んでいて、とてもメリハリがある現場ですね。
アキ クランクイン! 写真:高野広美

