邦題『災愛』に太鼓判! 『悪魔のいけにえ』新監督にも決定した26歳新鋭が語る、全米異例ヒットの要因
――本作の邦題には「災愛」とサブタイトルがついています。「災」は災害や災難を表し、直訳すれば「災いをもたらすような愛」の意味。ただ、音の響きとしては「最愛」、つまり「人生で最も愛する人」とも聞こえる。二重、三重の意味を込めたこの邦題はいかがでしょう?
バーカー監督:大好きだ。日本には英語圏にないニュアンスの言葉があり、いろいろな解釈ができる。逆にひとつの日本語の意味を説明するのに、英語なら3つ、4つの単語が必要だったりする。簡単に他言語に翻訳できない言葉には非常に心ひかれる。その言葉本来の力強さがあると感じるから。英語の「love」に愛の度合いの強弱や、種類の幅を示すニュアンスは少ない。この邦題は映画が掘り下げるテーマとも深く関わっているし、すごくいい。最高のタイトルだと思っているよ。
『オブセッション 災愛』メイキング写真(C)2026 Focus Features LLC.
――最近、「お勧め」したくなったお気に入りの作品はありますか?
バーカー監督:オリヴィア・ワイルド監督、セス・ローゲン主演の『The Invite』(原題/日本未公開)だね。日本での公開状況は分からないけど、絶対に観て欲しい。主な舞台はアパートの部屋だけ。でも、クレイジーで心に訴えかけるものがあった。僕はストーリーテリングや、キャラクターを重視しているので、そんなツボに入ったのかも。
――では、オールタイムベストをもし1本、選ぶなら?
バーカー監督:好きなジャンルをひとつ選ぶならホラー。映画なら『ヘレディタリー/継承』を挙げようかな。
――『オブセッション 災愛』は恐ろしくもあり、同時にお茶目で、どこか「カワイイ」感触がありました。監督はこの後、A24で『悪魔のいけにえ』の新作を撮る予定ですが、他のシリーズ作品とは違う個性をどこに打ち出したいですか?
バーカー監督:『悪魔のいけにえ』だから、まずはブルータル(残虐)であるべきだけど、それ以外の要素も取り入れたい。オリジナル版は剥き出しの生々しさ、奇妙な滑稽さが入り混じり、居心地の悪さが最高だよね。僕が撮るなら、襲われた人々が茂みに隠れて思考停止状態になったりせず、本来ならどう行動するかを突き詰め、脱出を阻む障害も理にかなったものにしたい。同時にコメディ要素や軽妙さも大事にして、深刻になりすぎるのは避けたい。ひたすら陰鬱で重苦しい映画は苦手なので。奇妙な感覚や居心地の悪さがある作品になれば、と知恵を絞っているところだよ。
カリー・バーカー監督(C)2026 Focus Features LLC.
(取材・文:山崎圭司)
映画『オブセッション 災愛』は公開中。
