妻夫木聡と衝突し、北川景子のハグを拒否? 『ジャッジ!』永井監督が撮影裏話を語る
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ところが撮影2日目に衝突が起こる。原因は、永井監督と妻夫木の役作りのズレだ。「妻夫木くんはもっとオドオドして、声の出し方も奇妙で、極端な人物をイメージしていたのですが、僕は逆に、普通に見えるけど、なんかだらしなくて要領が悪い。そんな等身大の人物に寄せたかった。トヨタのCMで妻夫木くんが演じている“のび太”のイメージに近づけたくなかったんです」と吐露。
今から思えば、あの日、腹を割ってとことん役について話し合ったから、撮影も迷うことなくスムーズに行けたと振り返る永井監督。だが、北川との関係は、皮肉なことにまったく逆のスタンスだったと打ち明ける。「北川さんの役は孤高の存在なので、あえて僕は距離を置きました。一度、ハグしようとした北川さんを拒否したくらいですからね。本当はすごく仲良くしたかったんですが、すべては映画のため」と苦笑する。
最後に、豪華キャスト演じるキャラの中から永井監督のイチオシを聞いた。「みんな面白いけど、試写会では松本伊代さん演じる経理の松本さんがバカ受けでしたね。これ、言ってもいいのかな? 実は脚本を書いた澤本さん、松本さんも大好きなんですが、一番のお気に入りは原田知世さんなんですね。追っかけをやっていたくらいですから。だから、なんで松本さんがキャスティングされたのか、いまだに謎」と、笑いながら暴露した。
早くも2作目の準備に入っているという永井監督。談笑で彼が手掛けたいくつかのCMを称賛していたら、「実は次回作で…あ、いや、やめときましょう」と言葉をさえぎった。それが誰なのか、それが何を意味するのか定かではないが、永井監督は、映画といういばらの道を突き進む覚悟を決めたようだ。「ファンタジーとだけ言っておきます」。いい意味で、期待を大きく裏切る作品が頭をよぎった。(取材・文・写真:坂田正樹)