向井理「悔しい思いもたくさん…」 厳しい指導を受けたデビュー当時を語る
ちゃんと認められるようになる──。「中途半端に片足を突っ込んだ感覚から役者の世界に入った」という向井にとって、この思いは常に心のどこかにあったようだ。「やるからにはとことんやってやろうという気持ちはありました。腹をくくってやるしかないなって。役者を始めたころは、悔しい思いもたくさんあって、現場じゃないところで呼び出されて厳しい指導を受けたり、唯一あったセリフがカットされた映画もありました。どうやったら現状を打開できるか日々考えていましたし、主役をやりたいという思いはありました」。
しかし、現在はそんな気持ちにも変化が生じているという。「メインの役柄をやらせていただけることが多くなったからかもしれませんが、今は主役とか番手とかにこだわりはないです。作品がおもしろかったらなんでもやりたいですね。自分の原点に戻るというか、ワンシーン、ツーシーンの役をやってみたいという気持ちもありますし……」。
向井のいう「おもしろい作品」という表現がピッタリくる「姉弟の機微」を描いた本作。実際の向井にも兄がいるが「5年に1回ぐらいしか会わないし、恋愛の話なんて一切しないですよ。気持ち悪いですよね(笑)」。男兄弟はこんな関係が健全なのかもしれない。(取材・文:才谷りょう)
映画『小野寺の弟・小野寺の姉』は10月25日より全国公開。