クランクイン!

  • クラインイン!トレンド

秋吉久美子、40年以上の女優人生は“適当に真剣” 先輩女優に先手「いじめないで」

映画

 そんな中で臨んだ『昭和枯れすすき』。監督は『砂の器』などの野村芳太郎。「野村さんはとにかく器が大きかった。何かの記事で監督が『秋吉久美子は、セットに住んでいる』って語っているのを見たのですが、本当にそんな感じ。セットで寝て、セットでご飯を食べて……自由にさせていただきました」と当時を懐かしそうに振り返る。

 「昭和の監督は、女性のような細やかさを持ちつつ、強い方が多かった。骨太でしたね。監督って作家なので、やっぱり強くないといけないって思うんです」と語った秋吉。現状の日本映画については「わたしたちの若い時代は、娯楽も少なかったので、家族みんなで映画を観に行くことが楽しみでしたが、いまは何でもありますからね。そんな中で、何十億もかけるハリウッド映画みたいなのもある。なかなか難しい時代ですよね」と寂しげな表情。

 インタビュー中、「女優という仕事が好きということでもないんですよね」とつぶやいていたが、40年以上に渡り一線級で活躍してきているのも事実だ。「要するにコンプリートさせたいんですよ。経験を積んで良い女優になりたいとか、好きだから頑張るというのではなく、携わったものを最大限の効果として終わらせたいという想いだけなんです」。

 秋吉のモットーは“適当に真剣に”。「こういうと『秋吉は適当にやってんだろう』って思うだろうけれど、適当と真剣のバランス感覚が結構大事なんですよ」と笑顔をみせる。突拍子のない発言で世間をにぎわすことも多かった秋吉だが「思ったことはきちんと伝えて、でもその中で大事なのは、人を下げるための本音は言うべきではないということです」と持論を展開。話せば話すほど“適当に真剣に”生きている秋吉の魅力が伝わってきた。(取材・文:磯部正和)

2ページ(全2ページ中)

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る