秋吉久美子、40年以上の女優人生は“適当に真剣” 先輩女優に先手「いじめないで」

セクシーで小悪魔、キュートで清楚……。女優・秋吉久美子は多くの形容詞で表現される。昭和のノスタルジックな雰囲気を持ちながら、近代的な佇まいの彼女が堪能できる映画『昭和枯れすすき』。「あの頃映画松竹 the BEST 松竹ブルーレイコレクション」で蘇った本作の撮影秘話や、40年以上にわたる女優人生、今の日本映画について秋吉に聞いた。
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17歳、高校3年生のとき、映画『旅の重さ』(72)のオーディションに臨み、スクリーンデビューを果たした秋吉。「夏休みの間だけで、あとは普通に学生に戻ればいいと思っていたんです。わたし一人だけアマチュアで現役女子高生じゃないですか。おじさんたちは喜んで喜んで。ペットみたいな感覚だったと思いますよ(笑)」。
軽い気持ちで“女優”という職業の扉を叩いた秋吉。そのスタンスのまま現在まで来たという。「『女優でやっていく』なんて決心はなかったです。だから『いつか上に登ってやろう!』という気持ちもなかった。撮影中も、空き時間なると、フラッと横須賀に行ったり、神社の境内で寝ちゃったり……好き勝手していました」。
この自然体と奔放さが、多くの監督やスタッフから愛される要因なのだろう。「NHKのヘアメイクさんに『精神的な脱毛症にならないのは久美ちゃんだけだよ』って言われたことがあるんです。芸能界に入ると、人間関係などのストレスでみんな脱毛症になるらしいんですけど、わたしは全くならなかった」とあっけらかんと語る。
「先輩女優さんに『わたしのこといじめないでくださいね。他の人はいじめられても黙っているかもしれませんが、わたしは言い返しますから』って言ったこともありました。すると『もうあなたとは口をきかないから』って言われるんです。でもそのうち話しかけてくるんですよね」。気の強い一面を持ちつつも、人懐こさ、正直さで多くの人を魅了する秋吉の魅力を物語るエピソードだ。