土屋アンナのしたたかさと強さ、何を書かれても「いつだって私は私」

キャラクターの変わらない人、というのが少なからずいる。しかし流行り廃りの早いエンターテインメント業界では、それは諸刃の剣でもある。武器になることもあれば、足枷になることもある。モデル・女優・アーティスト・タレントとジャンルレスに活動している土屋アンナほど、それを武器として上手く立ち回っている人はいないだろう。天真爛漫で自由奔放なキャラクター。しかし土屋本人は、そのパブリックイメージをどう思っているのだろうか。
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マスコミ向けの記者会見、イベントでの囲み取材。土屋がいると必ずと言っていいほど盛り上がる。時には自分を貶めるかのような発言で笑わせながら、場を和ませることも。「自分が一観客として見た時に、楽しいと思える方がいいからです。取材の場でも私がバカを言って、マスコミの方々が笑ってくれたら『よし!』って気持ちになる。新聞やネットに何を書かれようが、その場所が明るく楽しくなればいいかなって」とその理由を説明する。
一躍注目されたのは、女優デビュー作となった2004年の映画『下妻物語』。それから数えると10年が過ぎた。その間に出産や離婚を経験するなど、土屋を取り巻く環境や状況は大きく変わった。公人の宿命として良くも悪くも注目され、ゴシップの対象になることもあるだろう。それでも土屋は、時にネガティブな情報を笑い飛ばすかのように、天真爛漫で自由奔放な“土屋アンナ”のままでい続ける。
「カメラの前にいても飲み屋にいても、いつだって私は私。嫌な事を聞いてきたりする記者の方もいるけれど、でもその人にとってはそれが仕事。その人にも優しくしたいと思うから、答える事もある。真面目な人がいるからこそ、私のような不真面目系がいてもいいと思うし、引き立て役だっていいじゃない? そんな私を見て“面白かった”と元気になってくれる人がいるなら嬉しい」。無意識に作り上げられたものではなく、意識的であるところに土屋のしたたかさと強さがある。