森川葵、女優として更なる高みへ“自然な芝居”も「意識的に変えていきたい」
同世代のキャストばかりの現場で、劇中の合宿同様わいわいとした雰囲気になっていたようだが、そのノリが撮影にも取り入れられる機会もあったという。「内藤(瑛亮)監督が高校生たちの日常的な風景の瞬間を撮りたいとのことで、目の前で起きたこと、それを見て感じたことをそのままセリフにするということもありました。たとえば、パンケーキが固くて切れないところで『何これ?切れないんだけど』とか完全に素の喋りになっています。そういう方法もあるんだな…」と新たな発見があった。アドリブも多く「こんなにも現場の雰囲気でセリフが変わっていく作品も珍しいです」と笑う。
ところで森川は幅広いその役柄ごとにまったく違う表情を見せることで定評があるが、それについては「自分でもそういうふうになりたいと思っていたんですけど、でも実際にいろんな作品をやらせていただくと、結局変わっているのは髪型とちょっとした話し方、目のつかい方くらいしかないので、自分としてはあまり意識はないんです」と謙虚に語る。「ちゃんとそれぞれ役によって区切りをつけていかなければと思います」とも。
自然に演じることによってさまざまな顔を生み出しているようにも思えるが、「でも、それが世の中に定着してきた時に、次に進めない要素になってくるのかなって。だから意識的にも変えていきたいなと思います」とさらに高い意識を持つ。
最後に『ドロメ』について、「コメディの要素も強いので、友達と一緒に楽な気持ちでポップコーンでも食べながら声を出して笑いながら観てもらいたいなと思います」とアピールした。(取材・文・写真:田中裕幸)
映画『ドロメ【男子編】』『ドロメ【女子篇】』はシネマート新宿にて絶賛上映中。