東出昌大「後悔は毎回です」 4年間の俳優生活で見えてきた“怖さ”と“変化”
俳優をはじめて4年がたった。話題作への出演、大きな役が続いている現状だが「出来不出来はあると思いますが、どんなことでも吸収できるように全力で取り組んでいます。やっぱり積み重ねは重要で、少しずつですが視野が広がってきたと思います。これまでは『こうあらねば』と頭でっかちな部分がだんだんほぐれてきました」と自身を分析。
反面、周囲が見えることによって怖さも出てきたという。「作品が終わると『こうすればよかった』ということばかり。もっと勘が良く大らかにやっていればよかったなという後悔は毎回です。でも一生懸命取り組んだからこそ気づけた部分でもあるので、そういう目を増やして取り組んでいくだけですね」と前向きにとらえる。
また俳優になり多くのことにアンテナを張るようになったという。「普段の生活の過ごし方も変わりました。事件があると、どうしてこういうことが起こったんだろうとか、犯人はなぜこんなことをしてしまったんだろうと考えるようになりました。映画を観ても以前は涙を流すことってほとんどなかったのですが、今は結構泣くようになりましたね(笑)。登場人物に感情移入しやすくなっています」。
最後に作品にちなみ、東出にとってのヒーロー像を聞いてみると「子供の頃は仮面ライダーやウルトラマンを見て憧れたりしていましたが、大人になると普通のことをしっかりできる人ってヒーローなんだなって思うようになったんです。ちょっとでも淀んでいるものを浄化できる人、例えば電車で席を自然と譲れたり、老人が立っているのに気づいていない青年に『席を譲ってあげてください』って言えるような……。自分もそうありたいなって思います」と語ってくれた。(取材・文・写真:磯部正和)
映画『ヒーローマニア‐生活‐』は5月7日より全国公開。