林遣都インタビュー、俳優業に「ゴールはない」 出会いによって変化した“目指すべきもの”
料理の仕草にもこだわった。「冒頭に映る、野菜を切る手も僕です。吹き替えはありません。MY包丁を買って、スーパーで野菜を買い占めて、ひたすら切りまくってました。指も切りましたよ。終わった瞬間にやらなくなりましたけど(笑)。それにしても本編に出てくる料理は本当においしくて感動の連続でした。マキのように、仕事に追われて食生活、生活リズムが乱れている人、僕もそちらに近いと思いますが、そういう人が食べると涙がこぼれてきちゃうくらいの味でした」。
そして几帳面というワードも林自身とは違うとか。「几帳面そうだと言われるんですけど。きれい好きでしょとか、ストイックに見えるとか、実際は本当に適当なんです。周りにはあまり言うなと言われているんですが、部屋も汚いほうですし、身の回りのことをするのは苦手です(苦笑)。細かいことは全然気にしない楽観的なタイプなんです。どちらかというと、渚よりはマキのほうに近いです。ぼくがそっちよりだからこそ、女性はマキのようなタイプより、きちんとしている方のほうがいいです(笑)」。
ストイックではないというが、こと芝居に関しては一直線。「いまは仕事が中心です。作品、役柄によって、意識的に生活を変えないとやっていけないという考えになってきています。15歳からこの仕事をしてきて、いろんな人に出会っていくなかで考え方も変わってきました。これしかないと思っていますし、作品を観た人に、この人でよかった、この人以外は考えられないと言われるものを目指したいと思っています。そこにゴールはないと思って」。(取材・文・写真:望月ふみ)
『にがくてあまい』は9月10日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて公開。