永井豪、西内版ハニーは「ベストワン」 原作と離れても“ポリシーは生きてる”
また、1970年代、「AI時代は必ず来る」と信じて同作を描いていた永井は、徐々にそれが現実化しつつあることについて、「AIをテーマにした映画やアニメもたくさん作られていますが、その中でハニーの存在も、セクシーさだけがクローズアップされていたヒロイン像から、AIの“発展型”として観てくれるようになった。そこが何より嬉しいですね」と喜びもひとしおのようだ。
「時代がハニーに追いついた」という観点で言えば、かねてから「漫画の映画化」を推進していた永井にとって、昨今の実写化ブームも「やっと来たか」という思いが強いようだ。「本当に“ようやくこの時代が来た”といった感じですね。少し前までは、映画作家は小説のほうばかりを向いていましたが、僕は昔から“漫画が映画に一番近い”と思っていましたから」と吐露。
ただ、漫画の実写映画化は、原作ファンに根付いたイメージもあり、リスクが大きい面も否めない。これについて永井は、「私自身は一人の映画ファンとして、“どんな作品になるんだろう”といつもワクワクしています。だって、いろんなハニーが観られるなんて最高じゃないですか」と、どこまでもポジティブ。「映画化が決定した時点で、その作品は監督とスタッフのもの。僕は脚本も読まなければ注文も出さない。一人の観客として楽しむだけ。原作に寄せてもいいし、核の部分だけを描いてもいい。どちらにせよ、中途半端はダメ。どうせやるなら思いっきりやってほしい!」と強調していた。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『CUTIE HONEY ‐TEARS‐』は10月1日より全国公開。