オンナ群像劇は“少年性”がカギ 『セシルのもくろみ』男性Pが明かす“女性”の描き方
本作の主人公・奈央はある程度の謙虚さを持ちつつも、多少ガサツでカラっとした性格。そして、体育会系出身で威勢がよい。太田氏は「そのバディとしてライター・沖田江里役の伊藤歩さんがいます。どちらかというと2人は『スラムダンク』の桜木花道とゴリ(赤木剛憲)の関係に似ているかもしれない、と真木さんが脚本を読んだ印象でそのようにお聞きして、僕自身そう思うようになりました」と少年漫画に例えて語る。
『ファースト・クラス』と『名前をなくした女神』、そして本作。いずれも週刊少年ジャンプの世界のような、何か共通点が見いだせるような気がするが、「少年性のようなものって、物語に入りやすくなるポイントだったりするのかなと思います。今回もまさに2人で頑張っていくみたいな話もあるのですが、ただ今回は女性スタッフが多いですし、きちんと女性の幸せについても描けたらと思っています」と太田氏。30代を過ぎると女性の人生は一筋縄ではいかない。その群像劇を描こうとすると、敵味方では収まらない。「立場が違っても幸せ比べをしないようにしたいです。例えば、ワーキングマザーと独身の女性が同じ職場にいるといろいろとあると思う。そういうのをドロドロに描きたいわけではなくて、『最終的には分かり合えなくても友達になれなくても、認め合えるくらいになれると楽になるのでは』という提案ですかね。大切にしている幸せが違っていても、道が違っていても、認め合える。探っていけば生産的になれるんじゃないかと思うんです」と太田氏は熱弁をふるう。
最後に本作の見どころを聞くと、真木演じるキャラクターだという。「日々の家事に疲れたお母さんたちにも『こんな風になれたら面白そう』という目線で観ていただきたい。一つの価値観でくくれないような作品になればと思っています」と意気込みを語った。(取材・文・写真:梶原誠司)
新ドラマ『セシルのもくろみ』は、フジテレビ系にて7月13日より毎週木曜22時放送。