桐谷健太、入江悠監督への厚い信頼「懐に飛び込めば絶対にいいものを撮ってくれる」
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確かに、その世界観は、過激で、無慈悲で、容赦ない。「自分のルーツを探す旅、というと大袈裟ですが、そういう意味は確かにありましたね。『SR サイタマノラッパー』のころは、地元を表層的に捉えていましたが、10年の歳月の中でさまざまなことを経験し、ようやく地元の良いところも、悪いところも、全て描き出し、自分の原点を見つめ直したいと思うようになった」と入江監督。いろんな場所をつなぎ合わせて架空の町を作り上げるのではなく、舞台となる町にしっかり腰を下ろし、独特の空気を体で感じ取ること。桐谷の直感的な表現を引き出したのも、そうした入江監督のこだわりが原動力となっていると言っても過言ではないだろう。
初めて入江監督とタッグを組んだ桐谷は、「力のある監督だということは、過去の作品を観て分かっていたし、初対面のときの図太い感じや、現場でグッとこちらを見つめる眼差しの強さも印象的だった。寒さも含め撮影は極限状態だったけれど、入江監督の懐に飛び込んでいけば絶対にいいものを撮ってくれる、その情熱に全てを託した」と強調する。「完成した作品を観て“ブラボー!”って叫んでしまったくらい攻めてる映画。ホンマにかっこ良かったよ」。入江監督を見る桐谷の表情は、満足感で溢れていた。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『ビジランテ』は12月9日より全国公開。