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“『サスペリア』の全てを自分の肉体にしたい” 監督が語るオリジナルへの狂愛と再構築

映画

●女性の中にある“闇”を探る
 人喰い的な愛…あの美しくも切ない『君の名前で僕を呼んで』を作った監督とはとても思えない衝撃的な告白にしばし絶句するが、その真意を聞いて腑に落ちた。「この作品は単なる魔女映画ではない。女性の素晴らしさを称えながらも、女性の中にある“闇”のようなものを探る映画だ。母親は命を産み出すと同時に、自分の子供を操ろうとし、ときに敵になる場合がある。その局面が私にとって非常に興味深いテーマだった」と強調。そしてあくまでも「自分の表現でそのテーマをさらに掘り下げ、再構築してみたかった」と熱弁を振るうルカ監督の胸中には、前作をなぞり自己満足に耽る安易な発想は微塵もない。


『サスペリア』場面写真 (C)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC All Rights Reserved

 若い頃、ダリオ監督をインタビューする機会に恵まれ、以降、長年にわたり親交を温めてきたというルカ監督。彼のためだけに試写会を開き、完成した作品を披露したそうだが、ダリオ監督は「とてもデリケートで、インテリジェンスに富んだ映画。私が作ったものはもっと猛々しかった」と公式のコメントを出した。これに対してルカ監督は、「私から言わせれば、彼の映画はまるでおとぎ話のようで、私の作品以上にデリケートだったよ」とニッコリ。師弟関係とも言える2人が、お互いに「君の映画はデリケートだ」と言い合っているところが実にユニークだが、その判断は観客に委ねよう。

 振り返れば、ルカ監督が『サスペリア』のリメイク権を取得したのが2008年。当初、ほかの監督、キャストで製作する予定だったが、ある理由からその可能性がなくなり、「じゃあ、私が監督しよう」と手を挙げた。ところが、「当時は今のように映画製作の資金を簡単に集められるポジションにはいなかった。だから結局、10年もかかってしまった」と苦笑いを浮かべるルカ監督。ある意味、『君の名前で僕を呼んで』の高い評価と大ヒットがリメイク版製作への道を拓いてくれたといっても過言ではないだろう。(取材・文・写真:坂田正樹)

 映画『サスペリア』は1月25日より全国公開。

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