「我々はたまたま生かされているだけ」――三浦友和、父の実家を襲った天災 セリフに思いを重ねて
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また、本作で公平が発する「我々はたまたま生かされているだけ」というセリフにも並々ならぬ思いがあるという三浦。「中学一年生くらいの時でしたかね。富士五湖の西湖付近の村に父の実家があったんですが、そこが土砂崩れに遭い、100人以上亡くなったんです。知り合いもたくさんいました。ところがうちは全員助かった。当時、一番下の伯父がまだ住んでいたんですが、『変な音がする』ということで、おばあちゃんを背負ってみんなで逃げたんですよ。この決断もすごいことですが、逃げる方向も大事。そのとき、たまたま左に逃げたので助かった。命ってそういうことなんだなと。偶然、生かされている人もいるし、ちょっとした判断の違いで亡くなった人もいる。公平を演じながら、そんなことが思い出されました」と感慨深げに語った。
ところで、本インタビューを行った日は、偶然にも三浦友和・百恵夫妻の結婚記念日。「おめでとうございます!」とお祝いの言葉を贈ると、照れながらも、「ありがとうございます」とニッコリ。その優しい笑顔から、思わず幸せがこぼれ落ちる。
三浦家といえば、長男・祐太朗はミュージシャン、次男・貴大は俳優という芸能一家。作品が出れば、家族で必ずチェックをするのだとか。「祐太朗が新曲やアルバムを出せば必ず買いますし、僕や貴大が映画やドラマに出演すれば、妻は100%チェックしています。特に映画は、なるべく劇場に足を運んで観てくれているようですが、面白かったら観た直後にメールが来るときがあります。来ないときはたぶん…イマイチだったんでしょうね」と苦笑い。当然、本作も劇場へ足を運ぶと思うが、「この作品は、ぜひ観てほしいし、できたら素直な感想も聞きたいですね。諏訪監督の作品は独特ですから」。きっといい感想が聞けるのでは? 映画の公開日が楽しみだ。(取材・文:坂田正樹 写真:松林満美)
映画『風の電話』は1月24日より全国公開。
(C)2020映画「風の電話」製作委員会
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