『鵞鳥湖の夜』“水浴嬢”をミステリアスに演じたグイ・ルンメイ 監督が明かす裏側
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●グイ・ルンメイの知性と女優魂
前作に引き続き、ヒロインを演じた実力派女優グイ・ルンメイの魅力も、イーナン監督作品にはもはや欠かせない要素。今回も、水浴嬢アイアイをミステリアスに演じている。「彼女はとてもインテリジェンスに富んだ役者ですね。知識が豊かで、脚本の読解力も素晴らしく、現場で私からキャラクターに対する指導はほとんどありませんでした。ただ、彼女自身はかつて経験したことのない役と対峙(たいじ)して、もがき苦しんでいたようですが、最後はアイアイそのものになっていました」と絶賛。ただ、ロケは過酷だったようで、「撮影は7〜8ヵ月の長期にわたり、慣れない気候と風土に加え、暑さで悪くなったお弁当を食べて急性腸炎になったり、ひどいやけどを負ったり、何度も想像しがたい不運にも見舞われましたが、本当によく耐えてくれました」とグイをねぎらった。
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『薄氷の殺人』がクランクアップした際、冗談めかしながら、「次の作品でもご一緒しましょう!」とグイに声をかけたというイーナン監督。「だからアイアイは、彼女をイメージしながら作り上げた、彼女のためのキャラクターなんですよ」。ということは、次回作の約束もすでにグイと取り交わしたのだろうか? そんな思いをめぐらしながら、イーナン監督の今後の活躍に注目していきたい。(取材・文:坂田正樹)
映画『鵞鳥湖の夜』は公開中。