「何事も否定しなくなった」 橋本愛の人生観を変えた映画体験
第34回東京国際映画祭のフェスティバル・アンバサダーに就任した女優の橋本愛。大の映画ファンとしても知られる彼女は、観客として同映画祭を訪れた際に人生を変える1本に出合ったと明かす。「私にとって映画は、“薬”や“教科書”のようなもの」という橋本が、普段の映画館での過ごし方や、映画を通してマイナスな思考をプラスにガラッと変換できた経験について語った。
【写真】25歳の橋本愛 美しい撮り下ろし写真(6枚)
■「映画に救われてきた人生」フェスティバル・アンバサダーにも意欲
――第34回東京国際映画祭のフェスティバル・アンバサダーに就任した感想をお聞かせください。
橋本:とても光栄に思っています。自分自身「映画に救われてきた人生だな」と感じているので、その実感を持って映画の素晴らしさをお伝えできると思うととてもうれしいです。日本という国で“映画芸術の文化を大切に思う心”がもっともっと育っていくといいなという気持ちが強くあるので、今回の映画祭を通して、映画がより皆さんの生活の一部として根付いていくためにはどうしたらいいのか、前向きに考えていけたらと思っています。
――第33回東京国際映画祭では、映画『はちどり』のキム・ボラ監督とオンラインで対談をされていました。国境を越えて交流を図った経験は、橋本さんにとってどのようなものになりましたか?
橋本:それまでの自分の人生において、海外の方々と触れ合う機会はほとんどありませんでした。海外の方とお話することも得意ではないですし、言語が通じないことで大きなハードルを感じていたので、対談のお話をいただいたときも「できるかな」と最初は怖じ気(おじけ)づいてしまいました。でも自分では選ばない道をやらせていただけるときこそ、たとえ失敗したとしてもいい経験になるはずだと思い、“挑戦”という気持ちで臨みました。
――お二人の心が通じ合っていることがわかるような対談でした。
橋本:今では本当にやってよかったなと心から思っています。キム・ボラ監督の言葉を聞いて、自分と重なるようなものを感じられました。同じ時代を生きて、同じ女性としてものづくりに立ち向かっている人がいることを身をもって体感できました。映画や映画祭を通して心の会話をできたということがとてもうれしく、すごく豊かな時間だったなと思っています。