クランクイン!

  • クランクイン!ビデオ
  • クラインイン!コミック
  • クラインイン!トレンド

  • ウェブ全体を検索
  • このサイト内を検索

中村ゆり、儚さと強さが同居する存在感 “薄幸系”の役柄に感じるやりがい

映画

◆40代への展望は?「プライベートでの幸福が大切」

 アイドル時代の経験も「すべてが糧になっています」と感謝をあふれさせた中村だが、「アイドルは明るく元気でいなければいけないと思うと、自分には合っていないのかな…という葛藤もあった」とも。しかしそういった葛藤も力にできるのが、女優の仕事だ。

 「『パッチギ!』のオーディションでは、“前作を観てどう思った?”という質問に、“この映画のオーディションを、なぜ私は受けられなかったんだろうと思うとムカついた”と答えたんです(笑)。でもその答えを“面白い”と言っていただいて、本音でぶつかってそれを面白いと思ってもらえる場所があるんだとうれしく感じました。また葛藤や自分の負の部分だと思うようなことも生かせるのが、役者というお仕事なんだと気付くこともできた。自分のこれまでの経験も、すべてプラスに変えられるものなんだって」と女優業に打ち込むことで、この上ない喜びを感じるようになったという。


 女優業への熱意を真っすぐに語る姿が、なんとも魅力的だ。今後の展望は、「これまで私は素晴らしい監督に出会って、たくさんのことを教えていただきました。自分がその作品の中で良く映っているとしたら、それは監督のおかげです。年齢を重ねてきたことで、“もっとこの作品を良くするためにはどうしたらいいのか”と深く考え、自分から提案できるものがないといけないなと思うようになりました」とより誠実なものづくりをしていくこと。


 良い仕事をするためには、「プライベートでの幸福」に対する考え方に変化も生まれたという。「35歳くらいまでは、仕事がすべてだと思っていました。プライベートの時間も“映画を観なきゃ”“本も読まなきゃ”と、そういったことを人よりもやっていないと自信がつかなかった。当時の自分にとっては、それがすごく必要な時間だったと思います」と告白。「でもコロナ禍でいろいろなことを考えたこともあって、39歳になった今、“幸福であること”がとても大切だと思うようになりました。仕事だけに忙殺されるよりも、美しい景色を見たり、リラックスすることがとても大事。“そういった時間を持つために仕事を頑張るぞ!”と“プライベートで幸福を感じるために仕事を頑張ろう”と思うようになったら、なんだか精神的にもとても良い気がしています」とニッコリ。彼女の今後がますます楽しみになるような、晴れやかな笑顔を見せていた。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

 映画『愛のまなざしを』は11月12日より公開。

3ページ(全3ページ中)

この記事の写真を見る

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る