無意識に女性を追い詰める彼氏を演じた稲葉友、人間関係は「思いやり」が不可欠
●視野を広げて、深息吸して生きていきたい
――本作では「結婚」が1つのキーワードですが、結婚に対してどういうイメージを持たれていますか?
稲葉:僕は兄2人をはじめ、いとこが自分の上だけで10人以上はいて。みんな早いタイミングで結婚したので小さい頃から結婚式に行くことが多く、結婚は早くするものと漠然と思っていました。ですが、兄2人が結婚して子どもが生まれて親が孫の顔を見られたことで、僕にかかる圧がなくなった気がして、今はゆるく捉えています。家族と仲良くできる人とご縁があったらうれしいですね。
――この作品で結婚観は変わりましたか?
稲葉:実は僕の中では変化はなく、漠然としています。僕が響いたのは結婚観よりも人生観。やっぱり信頼した人でも、なかなかうまくいかないこともあるんだなと。自分が疎ましく思う人、それこそ家族だったりもしますが、そういう存在が本当に大事だと感じました。自分の足で歩いて行かないといけないけど、寄りかかることは何も恥ずかしいことではなくて。もう少し視野を広げて、深息吸して生きていきたいです。
――見る人によって、いろんな考え方や見方ができそうな作品ですよね。
稲葉:そうですね。男としては、こういうことは言わないようにしようとか思うかも。試写会を観た男性の感想で「勉強になる」という言葉があったので、そういう気付きを与えられたのなら、公平を演じて良かったと思います。みんな不用意に人を傷つけてしまうことはある、ということを肝に銘じなければいけないですよね。息が詰まる時代ですが、観終わった時にはそれがちょっと抜けて、見る前よりも少し深く呼吸ができるような作品なので、ぜひご覧ください。(取材・文:高山美穂 写真:高野広美)
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