西内まりや、自分を嫌いになった過去から脱却し新たなスタート「どんな自分も愛そう」
◆どんな自分も愛そうと思えるようになった
2007年、中学2年生のときにファッション誌『ニコラ』でモデルデビューし、女優、歌手としてもぐんぐん活躍の場を広げてきた。華やかに見える芸能活動の裏では、「手の抜き方がわからなくて、自分を追い込んでしまっていた時期もある」と打ち明ける。
「13歳で上京して、自分で自分のことをまだわかっていない年頃から期待に応えなきゃと少し無理をして、“憧れられる西内まりや”を作っていたのかも知れません」。西内は次第に「余裕のない自分を責めて、自分のことを嫌いになってしまっていた」という。そんなある日、西内は「今日から生まれ変わろうって鏡の中の自分に話しかけたんです」とにっこり。「プライドを捨てることはとても大変で、それにもプライドがいるんですが、捨ててしまえばとても楽になって。私ってそんなに完璧な人間じゃないなと思うと、やっと本来の西内まりやと一致した気がしました。“どんな自分も愛そう”と思えるようになった」と自分を大切にすることで、前向きに生きられるようになったと話す。
◆悔しいこと、悲しいことも、表現者としての学びになる
「がむしゃらになっていた時期には成功やお金、名誉に目が向いてしまっていた。でも幸せって家族や友達と過ごす何気ない時間にもあって。ありのままの自分を愛せると周りの人たちにもたくさんの愛を注げる。心と身体のバランスはとても大事だと気付きました」と今の彼女の心には清々しい風が吹いている
女優復帰作となったNetflixオリジナルドラマ『全裸監督シーズン2』では、武正晴監督からありがたい言葉をもらった。「武監督が、“まだ20代だろう。結婚して、子どもを産んで母親の気持ちがわかったら、そういった役だってできる。これは一生できる仕事なんだよ”と言ってくださった。悔しい思いや悲しい感情も、表現者としての学びになっているのならば、無駄なことは何もない。そう思うと、怖いものがなくなって。すごく楽しいです」と大きな笑顔。「ラーメンやお菓子も1年にこれだけしか食べない…というくらいずっと節制してきましたが、今は無理をせず撮影がない隙を狙って食べたいときに食べる! 毎日を素直に生きることを大切にしています」と語る姿もなんともキュートだ。熱っぽく、正直で誠実。西内まりやの“今”に触れ、彼女のこれからがますます楽しみになった。(写真:高野広美)
『月刊西内まりや』は、小学館より発売中。価格は3300円(税込)。