松本潤「自分で自分の首を絞めた」 香川照之&杉咲花と語る『99.9』の妥協しない現場
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映画『99.9‐刑事専門弁護士‐ THE MOVIE』より (左から)松本潤、杉咲花、香川照之 (C)2021『99.9 THE MOVIE』製作委員会
――穂乃果が入ったことで、深山や佐田に変化はありましたか?
松本:穂乃果はSEASON IとIIで榮倉奈々さんや木村文乃さんが演じてくださったヒロインのキャラクター設定より、深山とバディを組んでいる感が強かったので、そこは今までの芝居の仕方と違うところがあり新鮮でした。逆に、穂乃果は佐田先生に強くいける設定。深山は佐田先生に攻撃ができるので、穂乃果といい距離感を作ろうとして。そんな構図を面白おかしくできないかと思っていましたね。
香川:今回、穂乃果という役への演出で、木村監督のキャラクターづくりへの執念を感じました。木村節で杉咲さんが作られていく過程が、すごく面白かったです。
――穂乃果はかなり個性的なキャラクターでしたが、杉咲さんは演じてみていかがでしたか? 松本さんや香川さんに助けられた部分は?
杉咲:客観的に見たアドバイスをたくさんくださりました。穂乃果の個性的な決めポーズやセリフもそうですが、初めての弁護士役で法廷のシーンの立ち回りなど分からないことも多くて、相談に乗っていただいて。お2人の話は学びになることが多く、そこから役がより膨らんでいった感覚があります。
――撮影は3ヵ月に及んだとのこと。今振り返ってみるとどんな期間でしたか?
松本:なかったことにしたいです(笑)。というのはうそで、僕はそんなにたくさんの現場をこなしている方だとは思っていないですが、この作品に独特なチーム感を感じていて。嵐活動休止後に初めて芝居の現場に入る作品が『99.9』だったのは、自分の中ですごく大きかったですね。ホーム感のある中、のびのびとやらせてもらえたので非常にありがたかったです。
香川:僕は松本さんとじゃれていただけなので、いい夏休みだったなと(笑)。
松本:この作品は休憩ですもんね?(笑)
香川:普通、スペシャルドラマと映画合わせて4時間強の尺なら20日間ほどで撮影できますが、今回、連ドラ10話分撮るのと変わらない時間をかけていて。台本は2冊ですが、連ドラをやらせていただいた気分で楽しかったです。
杉咲:皆さんが作品に愛情を持ち、良いものにするという思いが溢れている現場で。撮影の合間にみんなで本読みをすることも多く、より面白くするにはどうしたらいいのかと、スタッフさんやキャストの皆さんが常に考えられていた日々だったと感じています。みんなで作品を育てていくような感覚になったこの現場は刺激的で、とても贅沢(ぜいたく)な時間を過ごさせていただきました。