土屋太鳳、8年間で大学を卒業「恩返しできる資格を得た」 キャリアや学習を次の世代に役立てたい
2005年、女優発掘オーディション「ミス・フェニックス」で審査員特別賞を受賞したことをきっかけに芸能界デビューを果たした土屋。現在26歳となり、「30代に向けて、少しずつでも社会のことを知りたい」と告白する。「女優として演じる役は社会で生きている人たちなので、もし社会のことを知らなかったら、女優としてキャリアを重ねれば重ねるほど、演技というより真似に近くなってしまうと思うんです。だからこそ、まずは“もう少し社会のことを知りたいな”と感じていて。そのためにも本を読んだり、出会う人の幅を広げたりしていきたいなと思っています」と誠実に、深く考えながら大人の女優への階段を上っている。
女優業と学業の両立に奮闘し、2021年は8年間通った大学を卒業。「3月まではとにかく卒業することに必死でした」と明かす。「卒業式が3月15日だったのですが、ミュージカル『ローマの休日』の大千穐楽が1月12日で、そこからはレポートや試験のラストスパートが続きました。でもその時間があったからこそ、お世話になった大学に恩返しできる資格を得たと思っています。卒業に届かなかったら、やっぱりなかなか“卒業生”としてご恩返しすることは難しくなってしまうので、本当に良かったです」と安堵(あんど)の表情を見せる。
“恩返し”という言葉にも表れているように、今の土屋が胸に刻んでいるのは「今までに得たキャリアや学習を、自分のものだけにしてはいけない」ということ。「それが次の世代や社会にどうめぐっていくのかを考えています。そう思うことは、大人としてはもちろん、女優としても大事なことなんじゃないかなと思っています」と力を込める。
大学では、女性アスリートに関して専門的に学んだそうで、「“女性アスリートの三主徴”という大きな問題があって、激しいトレーニングを続けている女性アスリートには 、“エネルギー不足”、“無月経”、“骨粗鬆症”のリスクがあると言われています。“エネルギー不足”というのは、具体的にいうと摂食障害のことなんです。この三主徴は、実は芸能の仕事で踏ん張っている女性にも言えることだと思います。こういった学びも、いつか後輩の役に立てられたらいいなと思っています」とアスリートと女優業の共通点をあげながら、自分にできることに精いっぱい取り組んでいきたいという。身を削りながら演じる役柄や芝居に向き合う作業は、たしかにアスリートのようでもある。真摯(しんし)な思いを胸に、土屋太鳳は走り続けている。(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)
新春ドラマスペシャル『優しい音楽~ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ』は、テレビ東京系にて1月7日20時放送。
メイク/市岡愛
衣装協力/yee(杉崎製作所)
スタイリスト/津野真吾(impiger)