<アカデミー賞>『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ジェーン・カンピオンが監督賞 2度目の候補入りで初受賞
日本時間28日、第94回アカデミー賞授賞式が米ロサンゼルスのドルビーシアターで開催され、1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台に、威圧的な牧場主と弟夫妻の緊張を描く『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンが監督賞に輝いた。『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督の受賞はならなかった。
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カンピオンはニュージーランド出身。1982年に発表した『ピール』で、カンヌ国際映画祭短編映画部門パルムドールを受賞。1993年に公開された『ピアノ・レッスン』では、女性監督として初めて、またニュージーランド出身の映画監督として初めて、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した。同作では、アカデミー賞脚本賞を受賞したほか、監督賞にもノミネートされており、今回2度目の候補入りで初受賞となった。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、トーマス・サヴェージの同名小説をもとに、彼女が約11年ぶりに監督を務めた作品。ヴェネチア国際映画祭では、監督賞にあたる銀獅子賞を受賞した。
監督賞に女性候補が挙がらないことが問題視されている中で、昨年のクロエ・ジャオに続き、2年連続で女性の受賞となった。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は本年度のアカデミー賞で最多となる11部門12ノミネートを獲得。作品賞、監督賞のほか、主演男優賞(ベネディクト・カンバーバッチ)、助演俳優賞(ジェシー・プレモンス、コディ・スミット=マクフィー)、助演女優賞(キルスティン・ダンスト)などで候補入りした。
<第94回アカデミー賞監督賞:候補一覧(★が受賞者)>
ケネス・ブラナー 『ベルファスト』
濱口竜介 『ドライブ・マイ・カー』
ポール・トーマス・アンダーソン 『リコリス・ピザ』
★ジェーン・カンピオン 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
スティーヴン・スピルバーグ 『ウエスト・サイド・ストーリー』