阪本順治監督『冬薔薇(ふゆそうび)』追加キャスト発表 伊藤健太郎の両親役に小林薫、余貴美子
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<小林薫、余貴美子コメント>
●小林薫(淳の父・渡口義一役)
台本の段階では、この終わり方で良いのかなって云う不安が正直ありましたが、完成試写を観て不安払拭、感動しました。
自分のことはさて置き、阪本作品に参加させてもらい、大変貴重な時間を頂いたと思っています。
観終わってしばらく経ってなんですが、ふとコレは俺のことなんじゃないかという思いが湧いてきました。
もちろん、淳の人生と似ていると云う意味ではなく、若い時の出口の無い袋小路ってみなの中にもあるンじゃないのかな。
ボクはたまたまと云うか、役者業の道に入りましたけど、別の道を歩んでいたらと思うと、淳達が遠いところの住人でもなく、とっても身近な存在に思えてきました。
大人達にしたっても別段明るい明日があるわけでもない、みな、出口の無い袋小路で、もがくようにして生きている。それが何だか分かりませんが、ボクには希望でもあるように観えてきたのです。
●余貴美子(淳の母・渡口道子役)
阪本順治監督との仕事は三作目だが、いつもドキドキドキする。監督の言葉、脚本、演出だから人をよくみている。自分の本性を見透かされそうで、恐ろしい!
主人公の伊藤健太郎さんとは初めての出会いだが、役どころとは裏腹に力むことなく、ずっと優しく穏やか。母親役の私の息子としてリアルに存在していて有難い!
夫役の小林薫さんや諸先輩方は、実人生とお芝居との境目がなく、とても自由で幸せな現場だった!
冬薔薇というタイトル!とても切なくて儚い感じだが、冬に薔薇が咲くのは、間違いなのか? 勘違いなのか? でも夏の薔薇のように、北風にも負けずスックと花は咲く。全員がちょっとずつ誤解しながら生きている、そんな人達の物語。解っちゃいるけど、生きるって大変!
とても静かに心に沁みてくる。面白いと思う。