阪本順治監督『冬薔薇(ふゆそうび)』追加キャスト発表 伊藤健太郎の両親役に小林薫、余貴美子
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俳優の伊藤健太郎が主演する映画『冬薔薇(ふゆそうび)』の追加キャストが発表された。小林薫と余貴美子が主人公の両親を演じるほか、眞木蔵人、永山絢斗、毎熊克哉、坂東龍汰、河合優実、佐久本宝、和田光沙、笠松伴助、伊武雅刀、石橋蓮司と実力派俳優陣が集結している。
【動画】阪本順治監督『冬薔薇』主演・伊藤健太郎のコメント入り特報
阪本順治監督のオリジナル脚本で、人間の業を切なくはかなく紡ぐ本作。
ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親は埋め立て用の土砂を運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳は両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は、思いも寄らぬ人物のものだった…。
今回、解禁となったのは、伊藤演じる青年・渡口淳を取り巻くキャスト陣。
淳の父親で、日本の高度成長期を支えたガット船「渡口丸」の船長でもある渡口義一を演じたのは小林薫。忙しさにかまけて息子と向き合わず、埋めようのない溝を作ってしまった男の弱さと悲しみ、内に秘めた思いを、これ以上ないほどの愛情をもって体現している。
その妻で、会社の事務を取り仕切る渡口道子役には余貴美子。生来のバイタリティと、長い結婚生活で染み付いた徒労感。相反する要素が自然に溶け合ったたたずまいを見せる。
小林は本作について「観終わってしばらく経ってなんですが、ふとコレは俺のことなんじゃないかという思いが湧いてきました。もちろん、淳の人生と似ていると云う意味ではなく、若い時の出口の無い袋小路ってみなの中にもあるンじゃないのかな」とコメント。
余は「阪本順治監督との仕事は三作目だが、いつもドキドキドキする。監督の言葉、脚本、演出だから人をよくみている。自分の本性を見透かされそうで、恐ろしい!」としている。
このほか、失業して「渡口丸」に雇ってもらう淳の叔父・中本裕治役には眞木蔵人。淳が所属する不良グループのリーダー・美崎輝役に永山絢斗、不良グループのメンバー・君原玄役に毎熊克哉。淳のいとこ・中本貴史役に坂東龍汰。美崎の妹・智花役に河合優実。淳の学友・友利洋之役に佐久本宝。淳に好意を寄せる澤地多恵子役に和田光沙。「渡口丸」の甲板員・近藤次郎役に笠松伴助。
そして「渡口丸」航海士・永原健三役に伊武雅刀。さらに最年長の機関長・沖島達雄役に石橋蓮司が出演。阪本組常連から若手注目株までが集結。それぞれに葛藤を抱えた、寄る辺なき者たちのアンサンブルが実現した。
映画『冬薔薇』は、6月3日より全国公開。
コメント全文は以下の通り。