日本初公開、チャーリー・シーンら『ブロークン・ジェネレーション』日本版予告解禁 監督のメッセージも
関連 :
チャーリー・シーンとマックスウェル・コールフィールドがダブル主演し、制作から37年を経て日本初公開となる映画『ブロークン・ジェネレーション』(1985)より、日本版予告篇と新場面写真が解禁。ペネロープ・スフィーリス監督より日本公開に向けたメッセージ動画も到着した。
【動画】映画『ブロークン・ジェネレーション』予告篇
本作は、パンク・ドキュメンタリー映画の最高峰といわれる『ザ・デクライン』でアメリカン・パンクの生態を捉え、『反逆のパンク・ロック』では社会から排除された孤児たちのはかない日常を切り取り、『ウェインズ・ワールド』で興行収入1億ドルを突破したスフィーリス監督が、実在の連続殺人鬼の記事を目にしたことを動機に、不安定な若者の苦い青春像を描き出した衝撃作。
米国初公開時、ジョナサン・カプラン監督『レベルポイント』や、テレンス・マリック監督『地獄の逃避行』と比較され、誰もが抱える大人への成長の不安と殺人鬼の心理を描ききり、あからさまな共感を求めない淡々と絶望をつづる演出で高く評価された。
とある小さな田舎町。高校卒業を迎えた2人の青年たちは、工場で働く退屈な日々を目前に控え、衝動的にハリウッドへ現実逃避の旅に出る。未来への夢や希望はない。心、友情が次第に引き裂かれていくなか、2人は犯罪と殺人に手を染め、追い詰められてくいく…。
主演は『処刑ライダー』、『プラトーン』、『ウォール街』などでスター街道を突き進むこととなるチャーリー・シーンと、主演作『グリース2』の大コケで干され気味だったマックスウェル・コールフィールド。
主演2人の鬼気迫る演技と、ドキュメンタリー映画出身の監督ならではのリアルな描写と設定は、フィクションという枠を超えて人間の抱える本物の恐ろしさに満ちている。監督は近年のインタビューにおいて本作の暴力描写を悔いており、本作を作らなければよかったとまで語っている。チャーリー・シーンの父で、米映画史上の傑作といわれる『地獄の逃避行』に主演したマーティン・シーンは、本作の試写で途中退席した。
日本では未公開、VHSの発売やテレビ放送で終わっていたが、制作から37年を経て、最新のデジタル・ニューマスターで初公開となる。
「この映画を撮ったことを、後悔している」というスフィーリス監督の衝撃的な言葉から始まる日本版予告編。どこにでもいる若者たち(チャーリー・シーン、マックスウェル・コールフィールド)は希望を求め、田舎町からロサンゼルスを目指す。だが80年代のロサンゼルスの街並み、夜景はその危険性と共にふたりを少しずつむしばみ、彼らの中に秘めた何かはやがて狂暴化する。
スフィーリス監督は日本向けのビデオメッセージで、本作について「いろんな意味で暴力的な作品で、恐らく今日なら撮りません。悲しいことにアメリカでは今、実際の暴力があふれていますからね。反暴力メッセージを込めた作品です」とした上、「意図したメッセージが届くことを願います」と語っている。
映画『ブロークン・ジェネレーション』は、新宿シネマカリテにて8月19日、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都にて9月9日より公開。以降、全国順次公開。