阿部寛、ニューヨーク・アジアン映画祭で日本人初のスター・アジア賞受賞
俳優の阿部寛が主演を務める映画『異動辞令は音楽隊!』が、米ニューヨークで開催中の「ニューヨーク・アジアン映画祭(NYAFF)」にて、現地時間22日にワールドプレミア上映され、主演の阿部と監督の内田英治が登壇。本映画祭にて、阿部寛がアジアで最も活躍する俳優に与えられる「スター・アジア賞」を日本人で初めて受賞し、英語で喜びをスピーチした。
【写真】ニューヨーク・アジアン映画祭に登場した、『異動辞令は音楽隊!』主演・阿部寛、監督の内田英治
今年、20周年を迎える「ニューヨーク・アジアン映画祭」。本映画祭の「スター・アジア賞」は過去にイ・ビョンホンやカン・ドンウォン、ドニー・イェンら名だたる名優が称された賞で、阿部は日本人初の受賞となった。
スター・アジア賞の受賞式に登壇した阿部は、大きな拍手で迎えられ、英語でゆっくりと喜びを噛みしめ、その言葉を観客にしっかりと伝えるようにスピーチ。「この素晴らしい賞をいただけて本当に嬉しく思っています。この映画祭に尽力くださったスタッフの皆さんにもお礼申し上げます。また、私のこれまでの作品に手掛けてくださった、全ての監督、俳優の皆さん、スタッフの皆さんにもここで改めてお礼を言わせてください。本当にどうもありがとうございます」と感謝の言葉を。
内田監督も紹介され、「今回、阿部さんが主演で映画を撮らせていただきました。皆さんご存知のように阿部さんは本当に特別な俳優なので、現場で撮影しながら主人公は阿部さんしかいないなあと気持ちで撮影していました。NY市警にも有名な音楽隊があるので、僕の夢は、阿部さんが、NY市警の音楽隊と対決する『パート2』を考えています。皆さんぜひこれからこの映画をお楽しみください」とスピーチした。
内田英治監督が、YouTubeで偶然目にした警察音楽隊のフラッシュモブ演奏の映像から着想を得たオリジナル脚本で描いた本作。上映後の質疑応答で内田監督はドラム演奏をする主人公について触れ、「やっぱりこういったタイプの役は難しいので、なかなか役者がいなかったんですけど、その中で阿部さんが目の前に現れてくれて、作品が無事完成しました。多分ドラムの練習に関しては想像以上のすごく苦労したんじゃないかなと思います」と阿部の挑戦を労った。
本作でドラム演奏に挑戦した阿部は練習について聞かれ、「2ヵ月くらいです。最初はスティックの叩き方から全く分からなくて、もういつになったらできるんだろうって。初めて自分が役作りで半分諦めかけたんですけど、1ヵ月半くらい過ぎてから、みんなと一緒に合同で練習して、とりあえず最後までやってみようと言って、『宝島』という曲を、最後まで無理やりやったんですね。その時にやっぱりそれぞれ下手だけど、一緒に助け合いながら、やれたんですよね。そこからなんかつかみ出して、そこからのびが早く、学びが早くなりました」と語った。
また、撮影中の阿部について聞かれた内田監督が、「田舎で撮影したことがあって、阿部さんが休憩室で、カブトムシとか、クワガタ好きみたいで、『これ採ったよ』ってポケットから出して来たんです。その時は可愛い阿部さんを(笑)、スタッフみんなが驚きを持って見ていました。昆虫が好きだというのを初めて知りました」と話す一幕も。
阿部は「あれは、夏の撮影だったので、照明に飛んできたんです。それを捕まえたのを誰にも気付かないようにしていたんですよ。でも照明さんが気付いて、その人達が僕にみんなくれたんです。それを家に持ち帰ったら30匹くらいに増えちゃいました」と明かしていた。
映画『異動辞令は音楽隊!』は、8月26日より全国公開。