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中絶が禁止されている60年代フランス 望まぬ妊娠をした大学生のたった一人の戦い ヴェネチア国際映画祭金獅子賞『あのこと』予告解禁

映画

 2021年の第78回ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞を受賞した映画『Happening(英題)』が、邦題を『あのこと』として12月2日より公開されることが決定。予告編とポスターが解禁された。

【動画】自らが願う未来をつかむためにアンヌは闘う 映画『あのこと』予告

 原作は、ノーベル賞に最も近い作家と称されるアニー・エルノーが、自身の実話を基に書き上げた「事件」。法律で中絶が禁止されていた1960年代のフランスを舞台に、望まぬ妊娠をした大学生のアンヌが、自らが願う未来をつかむために、たった一人で戦いを繰り広げた12週間を描く衝撃作だ。

 監督を務めるのは、本作をきっかけに世界中から注目を集める女性監督、オードレイ・ディヴァン。主演は子役時代に『ヴィオレッタ』での美しすぎる娘役で注目を集め、本作でセザール賞を受賞したアナマリア・ヴァルトロメイ。

 全編アンヌの目線で描かれる本作で、観客はアンヌと身も心も一体化し、彼女の「恐怖と怒りと情熱」を共に体感する。そんな没入感をもたらす世界観で観客を魅了し、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が審査員長を務めた第78回ヴェネチア国際映画祭にて審査員満場一致での最高賞を受賞したのを皮切りに、世界中の映画賞を席巻した。

 1960年代、中絶が違法だったフランス。大学生のアンヌの毎日は輝いていた。貧しい労働者階級に生まれたが、飛びぬけた知性と努力で大学に進学し、未来を約束する学位にも手が届こうとしていた。ところが、大切な試験を前に妊娠が発覚し、狼狽する。学位と未来のために今は産めない。選択肢は1つ。アンヌはあらゆる解決策に挑むのだが─。

 予告編は、前途有望だったアンヌの妊娠が発覚するシーンから始まる。「何とかして」と懇願するアンヌに「無理な相談だ。違法行為になる」と突き放す医者。さらに「妊娠したら一巻の終わり。大学を辞めて、トラクターを運転するしかない」「刑務所に入る気?」「君に選択肢などない。受け入れろ」など、アンナに向けられた、当時の社会を物語るセリフが続いていく。

 しかし、アンヌの選択は決まっていた。未来のために命がけであらゆる方法を模索しながら、焦燥し、どんどん孤立して追い詰められていく。「すべて試しました。すべて」「勉強を続けたい。道はないの?」と悲痛に語るアンヌ。最後は、強いまなざしを放つアンヌの姿に「未来を掴む。」というキーフレーズが重なって幕を閉じる。

 果たして、タイムリミットが迫る中、闇をくぐり抜け、アンヌがたどり着く光とは。アンヌにぴったりと肉薄し〈あのこと〉の一部始終を体感できる本作の一端を垣間見ることができる、これまでにない映画体験を予感させる予告編となっている。

 ポスターは、主人公アンヌが強いまなざしで前を見据える姿を捉えたもの。その表情からは、戸惑いながらも覚悟を決めたヒロインの強い意志が感じられる。横には「あなたは<彼女>を体験する。」というコピーが添えられている。

 映画『あのこと』は、12月2日より全国順次公開。

映画『あのこと』予告

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