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暗闇を漂う“顔”が意味深に語りかける『未来惑星ザルドス』本篇プロローグ100秒を限定公開

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映画『未来惑星ザルドス』場面写真
映画『未来惑星ザルドス』場面写真(C)1974 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPOLATION

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ジョン・ブアマン

 ジョン・ブアマン監督、ショーン・コネリー主演のSF映画『未来惑星ザルドス』(1974)より、作品の理解を促す本篇プロローグ100秒が期間限定(10月22日から公開前日の11月3日まで)で公開されることが発表された。

【動画】『未来惑星ザルドス』本篇プロローグ100秒

 本作は、英国の巨匠ジョン・ブアマンが自ら製作・脚本を兼任し、驚異的なイマジネーションで人類の恐るべき未来を予見したSF巨篇。

 2293年、人類は不老不死の社会を実現。特権階級の永遠人「エターナルズ」は、外界から隔絶された透明ドームの中で優雅な毎日を過ごしていた。彼らは空飛ぶ巨大神像ザルドスを建立、それを神と崇める撲滅戦士「エクスターミネーターズ」を操り、荒廃した外界に棲む獣人「ブルータルズ」の殺戮を続けていた。だがある日、撲滅戦士のリーダー、ゼッド(ショーン・コネリー)は、着陸したザルドスの口内に身を隠しドーム内に潜入。果たして、神であるザルドスの忠実な下僕だったはずのゼッドの目的とは…。

 『未来惑星ザルドス』は、ブアマン監督自身が脚本を書き上げた時点で“過激”な内容であることを認めていた。完成作品もそれに従って“過激=非常に難解”なものとなり、当時試写を観た20世紀フォックス社の首脳陣は頭を抱えたという。ブアマン監督はそんなフォックス側の反応を受け、冒頭に作品内容の理解を促すプロローグを付けることにした。

 今回公開されたのは、そのプロローグシーン(100秒)。登場人物のひとりであるアーサー・フレイン(ナイオール・バギー)が登場し、あたかも魔術ショーの司会者のような【口上】で語っている。なお、このプロローグ(100秒)+予告篇(110秒)が、10月22日から11月3日23時まで、Youtube上で期間限定公開される。

 映像には、青い頭巾を被り、鼻の下にはマジックで書いたようなちょびヒゲ、アゴにも謎の文様を施したアーサーの姿が。彼は怪しい微笑を浮かべ、暗闇の中を漂いながら語り始める。「私はアーサー・フレイン、そしてザルドス。300年も生きたから、もう死にたい。だが私は死ねない…不死なのだ」と自己紹介し、「これからの物語は神秘と陰謀だけでなく、皮肉と諷刺に満ちている。近い未来の話と思ってもらいたい。ありうる話だ。私のようにならぬよう気をつけるんだ。ここで私は偽の神を演じている。本職は手品師だった。いや魔術師かな。そして狂言回しだ。登場人物を自在に操ってみせる。だが、この私も諸君を楽しますための道具さ。諸君だって誰かに造られたんだ。土のちりからだよ。映画の神様かな?」と、意味深な言葉を連ねていく。

 同映像でアーサーは自身が“ザルドス”であると語り、“不死”の存在で、“偽の神を演じている”と語る。そして“狂言回し”である自分は、観客を楽しませるただの“道具”だと明かす。そして観客に向かい、“諸君だって誰かに造られたんだ。土のちりからだよ”と問いかけ、そこに“神”の存在をほのめかしてプロローグは締めくくられる。

 作品否定派からは「駄作」「意味不明」と言われ続けている『ザルドス』だが、このプロローグで語られることの意味を考えながら続く本篇を鑑賞すれば、ブアマン監督が作品に込めたテーマや真の意図が、より理解しやすくなるだろう。

 映画『未来惑星ザルドス』は11月4日より全国順次公開。

映画『未来惑星ザルドス』登場人物アーサー・フレイン(ザルドス)による口上

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