映画『すべてうまくいきますように』、ソフィー・マルソー&アンドレ・デュソリエの共演シーン&磯村勇斗らのコメント到着
■磯村勇斗(俳優)
誰にでも訪れる家族との最期の時間。自分だったらどうするのか、思考と感情が行き来する。でも一つ言えるのは、誰にも邪魔できない親子の「愛」が大切なんだ。そう教えてくれた。オゾン監督の作品はとても心があたたかくなる。
■くらんけ(「私の夢はスイスで安楽死」著者)
父親から放たれる無遠慮な言葉に翻弄される娘たち。不器用な寄り添いと温度差がもたらす淡々とした展開は限りなくノンフィクションに近いと直感した。
■胡原おみ(漫画家/「逢沢小春は死に急ぐ」作者)
父のブラック・ユーモアに笑う娘、無言で寄り添う姉妹、短く無遠慮な会話。ひとつひとつのシーンに滲み出る“家族の年季”に親近感と居心地の良さを感じる一方で、これから“安楽死”という結末に向かうことの不安と切なさに胸がしめつけられる。優しさと残酷さが同居する美しい作品です。
■斉藤由貴(俳優・歌手)
家族ということ。父娘ということ。
老いること。病むこと。死ぬということ。送り出すということ。
誰しもいつかは必ずさようならをする、ということ。全ては移ろいゆくということ。
受けとめること。受け入れること。
心に残る愛を抱きしめること。
■佐藤玲(俳優)
オゾン作品は、語り合いたくなる密閉された深密さを持っている。思わせぶりで洗練された画。ウィットに富んだ会話と、想起される人間関係。登場人物の人生を垣間見ると、私も誰かから見た物語の中にいるような気分になる。
■SYO(物書き)
前触れもなく日常が変わり、心は後から追いかける。いつだってそうだ。振り回され、正解はわからない。外野は正しさを押し付ける。痛みも知らないくせに。
一つだけ信じられるものがあるとしたら、それは愛。名匠×名優が紡ぐ家族の終焉は、本物で満ちていた。
■津田健次郎(声優)
身勝手な父が押し付けてくる安楽死。その意志を受け入れんとする娘姉妹の葛藤。美と自由を愛する父、世界を拒絶する母、そのまなざしに娘達は映っているのか。
長女の生活を切実なテーマと共に淡々と、時にユーモラスに切り取っていく名匠フランソワ・オゾン監督の演出、そして飾らない役者陣の芝居が静かに胸に迫る。
■堀茂樹(フランス文学者)
安楽死という重いテーマを正面から取り上げ、それを観念的にではなく、人間同士の具体的な感情の交流の中に描き出している。十分にシリアスでありながら悲壮ではなく、ユーモラスでさえある。惚れ惚れするほど洗練された映画だ。
■前田哲(映画監督)
この胸騒ぎはなんなのだろうか。そう、人生は美しい!のに…、美しいからこそ、そのような選択もあるのだと、唸らされた。親を持つ人たち、子も持つ人たち、必見である。そして、ソフィー・マルソーが、シャーロット・ランプリングが、とてつもなく素晴らしい!
■宮下洋一(ジャーナリスト/「安楽死を遂げるまで」著者)
家族が安楽死をしたいと言ったら? 終末期でなく、まだ生きる望みがあるならば? 死を個人の権利と捉える欧米社会。価値観を異にする日本は、彼ら親子のような決断を下せるのか。「尊厳ある命」とは一体何なのか…。