『バビロン』ブラピ、マーゴット・ロビーの運命を大きく左右する重要キャラ3人の特別映像
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今よりはるかに差別意識が強かった当時。チャゼル監督はシドニーというキャラクターについて「音声が登場した当時、黒人の演奏家にはほんの少しのチャンスしかなかった。1929年から1931年にかけて、デューク・エリントン、ルイ・アームストロング、エセル・ウォーターズ、ベッシー・スミスといった人々を起用したミュージカル短編や長編映画が多く公開された。彼らは俳優としてスクリーンで役を演じながら、同時に自分たちの音楽も演奏した。また、ロサンゼルスを拠点とするカーティス・モスビー、レス・ハイト、ソニー・クレイなども自分のバンドで映画に登場している。彼らはすべてシドニーのインスピレーションとなった」と当時の歴史を振り返りつつ、実際に活躍していた有色人種のスターたちがシドニーのモデルとなっていたことを明かす。
エレノアについては、「エリノアはさまざまな作家やコラムニストをモデルとしている。新しいスターを発見したり、古いスターを切り捨てたりするような力を持つね」とコメント。作家のエリノア・グリンをはじめ、レポーターのアデラ・ロジャーズ・セント・ジョンズ、そして後期の時代のルエラ・パーソンズ、はたまた『イヴの総て』(1950)の登場人物、アディソン・ドゥイットと、当時実在した人々から物語のキャラクターまで様々な人物から着想を得たと語っている。
そのパフォーマンスから、中国・アジア系映画スターとしてハリウッドでの道を切り開いた第一人者である名女優アンナ・メイ・ウォンを彷彿とさせるレディ・フェイ。チャゼル監督は「初期の映画業界において多くのパイオニアがそうだったように、レディ・フェイもいくつもの帽子をかぶったルネサンス的なキャラクターだ。彼女は一つの仕事によって定義されない。業界で生き残るために、日々さまざまな役割を演じる必要がある。日中はランドリーの上で生活し、夜はハリウッドのパーティーで大きな存在感を示すんだ」と、黎明期の映画業界を、そして本作全体を変幻自在なこのキャラクターが象徴していると解説している。
映画『バビロン』は2月10日より全国公開。