レア・セドゥ、シングルマザーの心の揺れを繊細に表現 『それでも私は生きていく』公開決定
映画
レア・セドゥがシングルマザー役で主演を務めるミア・ハンセン＝ラブ監督最新作『Un Beau Matin（原題）／One Fine Morning（英題）』が、邦題を『それでも私は生きていく』として、5月5日より公開されることが決定。日本版ポスタービジュアルと場面写真2点が解禁された。
【写真】レア・セドゥが複雑な感情を抱えるシングルマザー役を好演 『それでも私は生きていく』場面写真
本作は、『未来よ こんにちは』で第66回ベルリン国際映画祭銀熊（監督）賞を獲得したミア・ハンセン＝ラブ監督の最新作。監督が、自身の父親が病を患っていた中で脚本を書いたという自伝的作品だ。父の病に対する“悲しみ”と、新しい恋の始まりに対する“喜び”という正反対の状況に直面するシングルマザーの心の揺れを繊細に描き出す。
35ミリフィルムで撮影された、エリック・ロメール作品を思わせる淡く温かみのある色彩のもと、親の死を意識したときに誰もが感じる無力感や恐れだけでなく、新しい情熱が生まれる可能性も描き人生を愛したくなる感動作に仕上げ、第75回カンヌ国際映画祭でヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞した。
サンドラは通訳者として働きながら、パリの小さなアパートで8歳の娘リンとふたり暮らしをているシングルマザー。彼女の父ゲオルグは、かつて哲学の教師として生徒たちからも尊敬されていたが、今は病を患い、徐々に視力と記憶を失いつつある。別居する母フランソワーズと共に彼のもとを頻繁に訪ねては、変わりゆく父の姿に直面し、自身の無力感を覚えるサンドラ。
仕事、子育て、そして介護。長年自分のことどころではなかったサンドラだったが、ある日、旧友のクレマンと偶然再会し、自然と恋に落ちる。病を患う最愛の父に対するやるせない思いと、新しい恋の始まりに対するときめきという相反する感情をサンドラは同時に抱き…。
主演は、『007』シリーズで2作続けてボンドガールを務めたほか、ファッションアイコンとしても知られるフランスの俳優レア・セドゥ。彼女の起用について「人間味のある人物として捉えたかった」「彼女に新しい光を当ててみたかった」と監督が語る通り、本作でレアは主人公の複雑な心の機微を見事に表現。Los Angeles Timesは「この映画のレア・セドゥを観なければ、今年最高の演技を観逃すことになるだろう」とその演技に称賛を贈っている。
そのほか、エリック・ロメール監督作品の常連俳優として知られる名優パスカル・グレゴリーが、主人公の父ゲオルグに扮し、教師であるがゆえに大事にしてきた“知識”や“言葉”が病により失われていく様を繊細に演じている。さらに『わたしはロランス』のメルヴィル・プポーが、主人公にとって希望の光のような存在となる役どころで登場。信じて良いのか分からない、曖昧ながらもナイーブな魅力に溢れるサンドラの恋人クレマンを好演している。この3人が調和の取れたアンサンブルを奏でる点にも注目だ。
日本版オリジナルポスターは、本国版からデザインを一新したもの。主人公サンドラ（レア）がベッドに寝そべり、空を見上げる姿を大きく捉えている。人生には泣きたくなることもあるけれど、喜びや悲しみと共に生きていくという意思を持つ女性像を表現した。このデザインを監督も気に入り、日本版ポスターが欲しいと熱望したという。
場面写真は2点。1点目は、一人娘であるリンにぴったりと寄り添い、笑顔を浮かべるサンドラの様子を捉えたもの。2点目は、サンドラの恋人クレマンも交えて、リンが指差す方向を3人でまっすぐに見つめるショット。本作で母親として、娘として、恋人として、様々な表情を見せるレア・セドゥの魅力が垣間見れる写真となっている。
映画『それでも私は生きていく』は、5月5日より全国順次公開。
