『すずめの戸締まり』新海誠監督「笑いながら、泣きながら」現地の反応に感銘<ベルリン国際映画祭>
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ドイツ・ベルリンにて開催中の第73回ベルリン国際映画祭「コンペティション部門」に、2022年11月11日に日本公開されたアニメ映画『すずめの戸締まり』が正式出品され、2月23日に現地にて上映された。イベントではフォトコール、記者会見、レッドカーペットアライバルに新海誠監督、俳優の原菜乃華が登場し、それぞれ喜びを語った。
【写真】第73回ベルリン国際映画祭に登場した新海誠監督&原菜乃華<フォトギャラリー>
『すずめの戸締まり』は、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・岩戸鈴芽(すずめ)の解放と成長を描く現代の冒険物語。新海監督の集大成と言える本作で、1700人を超えるオーディションから選ばれた原がヒロイン・すずめの声に命を吹き込む。公開から2月21日までの103日間で観客動員1036万人、興行収入137億円を突破。『君の名は。』『天気の子』に続き、3作連続で観客動員数1000万人を突破し、世界199の国と地域で配給が決定している。
ベルリン国際映画祭は、1951年からドイツ・ベルリンにて毎年2月に行われている国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並ぶ“世界三大映画祭”のひとつとして数えられている。
「コンペティション部門」に選出された作品しか獲得できない最高賞“金熊賞”は、日本作品では今井正監督の『武士道残酷物語』(1963年)、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(2002年)の2作品が受賞。新海監督の『すずめの戸締まり』は、日本アニメーションでは『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりの「コンペティション部門」選出作品となる。
本編終了後、約3分におよぶ長い拍手に迎えられ、新海監督、原、川村元気プロデューサーが登場。新海監督は作品が東日本大震災をベースにしていることを明かし、「これらは全て12年前に日本に起こったことです。『すずめの戸締まり』というエンターテインメント作品を楽しんでもらいながらも、少しでもそのことを知ってほしかった。どんなに大きな災害にあっても、人は笑いながら成長していきます。こうやって沢山の方に笑いながら観てもらえたことが幸せでした」とあいさつ。
作品への現地の反応は日本とは異なる部分もあったという。新海監督は「プレミア上映では、凄く笑いが起こっていました。日本とは違うところで笑いが起こるので勉強になりました。特にダイジンが出てくるたびに笑う人が多かったですね。笑いながら、泣きながら観てくれていました」と印象を述べた。
原は「ベルリンの方々の反応がとても良くて、たくさん元気をもらいました。ここまで来ることが出来たのも、本当に沢山の人が観てくださった結果だと思います。観てくださった方たちに感謝していますし、新海監督や、沢山のスタッフの方々にも感謝しています。世界中の方と感想を語り合えるような機会があったらいいなと思います」と語った。
第73回ベルリン国際映画祭は、ドイツ・ベルリンにて2月16日から2月26日まで開催。