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愛する自由を求め続けた男の20余年にもわたる物語―映画『大いなる自由』ティザービジュアル&予告編解禁

映画

映画『大いなる自由』ティザービジュアル(左から)チラシ表面、裏面
映画『大いなる自由』ティザービジュアル(左から)チラシ表面、裏面(C)2021FreibeuterFilm・Rohfilm Productions

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フランツ・ロゴフスキ

ゲオルク・フリードリヒ

 男性同性愛を禁ずる戦後ドイツで愛する自由を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描き、2021年第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞した映画『大いなる自由』。本作より、ティザービジュアルと予告編が解禁された。

【動画】映画『大いなる自由』予告編

 本作は、戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、愛する自由を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描いた静かな衝撃作。刑法175条は1871年に制定。ナチス期に厳罰化され、戦後東西ドイツでそのまま引き継がれた。西ドイツでは1969年に21歳以上の男性同性愛は非犯罪化され、1994年にようやく撤廃されるも、約120年間に14万もの人が処罰されたと言われる。

 第二次世界大戦後のドイツ。男性同性愛を禁じた刑法175条の下、ハンスは自身の性的指向を理由に繰り返し投獄される。同房の服役囚ヴィクトールは「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけようとするが、腕に彫られた番号から、ハンスがナチスの強制収容所にいたことを知る。己を曲げず何度も懲罰房に入れられる「頑固者」ハンスと、長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知しているヴィクトール。反発から始まった二人の関係は、長い年月を経て互いを尊重する絆へと変わっていく。

 主人公ハンスを演じたのは、ミヒャエル・ハネケ監督作『ハッピーエンド』やドイツ映画賞主演男優賞に輝いた『希望の灯り』などで大きな印象を残した次世代スターで、ダンサー・振付師でもあるフランツ・ロゴフスキ。非人道的な法に踏みにじられながらも愛を諦めないハンスの消えない炎のような魂を、少ない言葉と雄弁な身体で表現している。当初はハンスを嫌悪しながらも、次第に心をほどいていくヴィクトールを演じたのは、演技派として知られるゲオルク・フリードリヒ。唯一無二の関係性を絶妙な距離感で具現化した二人のケミストリーは、各国メディアから「言葉はいらない。この二人がいればいい」などと絶賛を受けた。

 監督は、オーストリアの俊英セバスティアン・マイゼ。撮影監督は『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督が初期代表作でタッグを組んだクリステル・フルニエ。2021年第74回カンヌ国際映画祭にてある視点部門審査員賞を受賞したほか、2022年第94回アカデミー賞国際長編映画賞オーストリア代表作品に選ばれた。

 ドイツ連邦議会が1994年に刑法175条の削除を決定した日である本日3月10日、本作のティザービジュアルと予告編が解禁。

 ティザービジュアルは、自身の性的指向により何度も投獄された主人公ハンスが、自由を求めているかのように独房の小窓から手を伸ばすシーンを配置したもの。その裏面には、当初はハンスを嫌悪しながらも次第に心をほどいていく長期刑受刑者のヴィクトールが通路からハンスをのぞき込むシーンが配され、2人のつながりを想起させるデザインとなっている。

 デザインを担当したのは、ゲルハルト・リヒターやマーク・マンダース、川内倫子、牛腸茂雄などそうそうたるアーティストの展覧会や作品集に関わってきたデザイナー、須山悠里。須山が洋画のデザインを手がけるのは今回が初となる。

 実物のポスター/チラシには、ハンスが伸ばした手の指の下あたりに直径2mmの小さな穴が開いており、これについて須山は「劇中で印象的な“部屋の小さな窓”“本に穿った穴”“ミシンの針”に象徴される、微かに、あるのかどうかも分からないような自由へのアナロジーとして穴を開けたかった」と意図を語っている。

 予告編は、ハンスと彼のかつての恋人オスカーの幸せそうな8mmフィルムの映像と、公衆トイレで175条違反者摘発のために隠し撮られた監視カメラ映像が対比的に映し出されるところから始まる。執行猶予なしの24ヵ月の実刑を受けたハンス。長期刑受刑者のヴィクトールと「まだここに?」「おまえは? まだ変態か?」と軽口を叩き合う様子から、これが初めての投獄ではないことがわかる。

 映像の中盤からは、強制収容所で腕に彫られた番号を新たな刺青で上書きするシーンなど印象的な場面が描かれるほか、ハンスとヴィクトールの唯一無二の関係性も垣間見える。何度懲罰房に送られようとも愛を諦めず、新たな関係を築こうとするハンスに「どうなるか忘れたのか?」と語りかけるヴィクトール。刑務所の中での愛、そして別れを経て、ハンスは何を求めるのか―。撮影監督クリステル・フルニエによる、「レンブラントの絵画のよう」と評された美しい陰影や、北欧のフューチャー・ジャズを牽引するトランペッター、ニルス・ペッター・モルヴェルによる予告冒頭から流れるトランペットの音色も印象的な、重厚なヒューマンドラマを予感させる予告編となっている。

 映画『大いなる自由』は、7月7日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開。

映画『大いなる自由』予告編

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