真木よう子主演『アンダーカレント』、映画の世界観に没入できるSPポスター6種解禁 宮沢氷魚らの絶賛コメント到着
■田川尚史(YEBISU GARDEN CINEMA 支配人)
嘘をついた事のない人はこの世にいるのだろうか、嘘には2種類あり誰かを守る嘘と、自分を守る嘘。悟がついてきた嘘は自分を守るため、かなえの嘘も自分を守るため、堀の嘘はどうだろう。きっと誰かを守るため。ご飯を買ってきたのを黙った嘘、薪割を忘れた嘘。悟が嘘をつかなくても良い世界で生きて来たなら結末はどうなっただろうか―。映画を観た帰り道少しだけ考えてみてほしい、自分の生きている世界は嘘が必要な世界か…。
■辻愛沙子(株式会社 arca CEO & Creative Director)
普通に過ごして見えるあの人もこの人も、誰にも見せない痛みを抱えて生きている。分かり合えないからこそ、人は寄り添い合えるのかも知れない。暗い川底を覗くかのように、そんな人の奥底を映し出す、心剥き出しの物語。
■八重尾知史(KBCシネマ)
心底。という表現があるように、本音や真実は心の奥底にある。それは言えずに居る内に沈殿し、やがて堆積する時間や嘘に覆い隠されていく。澄んだ水面を掻き回し濁すような出来事が泥を掘り起こすまでは。
隣り合う人も、まして己すら掴み切れない心。それが触れ合い、すれ違う様の恐ろしさも愛おしさも余さず描き切れる稀有な作家、今泉力哉監督はその領域に到達したと思う。
■花田尚謙(新宿バルト9 支配人)
信じている相手が本心を見せてくれているのかわからない。話してくれた事が本当の事なのかもわからない。場合によっては本当の事を知らない方が幸せなのかもしれない。色々な事を感じたり、考えさせられたりしながら映画を見てました。人それぞれなのだと思いますが、あらためて他人との関係性や自分の在り方を考えさせられる作品でした。
■藤野優(センチュリーシネマ 支配人)
言い知れない哀しみを抱えながらそれでも生きていく。ゆっくりと哀しみを超える。とても生命力を感じた作品でした。今泉監督っぽい時折ユーモアあるシーンにほぐされましたが、より哀しみを深刻にも感じさせられました。
いつもそばにいたって相手のことをすべて知り尽くすことはできない、、そんな中で真木さんの演技から、それでもそばにいるよと言葉をかけてくれているような、救いの光が見られました。
■藤原季節(俳優)
初めて特報の映像を見た瞬間から、主人公の瞳に引き込まれて、一番観たい映画だった。アンダーカレント。そこに流れる、風景も音も感情も、僕には心地よくて、ずっとそこに浸っていたい気持ちになった。しかしその場所は時折、静かに叫び出したくなるような息苦しい何処かに変わった。激流でもなく、濁流でもない、何処か。主人公の瞳を見つめながら、そこはもしかすると、とても深い場所なんじゃないかという気がした。アンダーカレント。undercurrent。ああ、もう一度、映画館で観たい。いま僕は、静かに叫び出したい気持ちだ。
■松本優作(映画監督)
人の綺麗なところ、汚いところ、全てが入り混じった心の底流。表面には決して表れない人々の感情に寄り添い、掬い取ろうとする今泉監督の演出に心を強く打たれました。また、自分自身の生き方を改めて考え直すきっかけにもなりました。人と人との関わりが薄くなりつつある今の時代に、是非見てほしい作品です。
■南信長(マンガ解説者)
好きなマンガの映画化には期待より不安が上回る。『アンダーカレント』のように完成度の高い作品であればなおさらだ。が、それは杞憂だった。全編に人生の不条理と喪失感を漂わせながら淡々と描かれる原作の世界観が、見事に再現されて違和感がない。そこに生身の人間が演じるからこその動きや間、表情が新たな彩りを加える。20年近く前の作品が今映画化された奇縁にも驚く。マンガと映画の幸福な出会いがここにある。