スタジオジブリ、日本テレビの子会社に! 新体制で宮崎駿は取締役名誉会長に
21日、三鷹のスタジオジブリ本社にて緊急会見が行われ、日本テレビがスタジオジブリの株式を取得し、子会社化することが発表された。
【写真】スタジオジブリ、日本テレビの子会社に! 急遽開かれた会見の様子
会見に臨んだスタジオジブリの代表取締役社長・鈴木敏夫は「宮崎駿と僕は気がついたら45年の付き合いになりました。同時にジブリも1985年に立ち上げ38年が経ちましたが、皆さん一番気にされているのが、今後ジブリがどうなっていくんだろうということだと思う」と語り出すと「スタッフと共に何度も相談しました。スタジオジブリはモノづくりをするという一方で、会社経営もしなければならない。僕は75歳、宮崎は82歳なんです。そこで日本テレビさんに経営の部分をお願いしたいという結論に至りました」と述べる。
さらに鈴木は「正直、創業者の一人として誰かが後継者としてやってくれるのだろうと思っていたんです」と笑うと「でも創業者というのは、やり始めたら会社がなくなるまで携わらなければいけないということが分かった。そうなったとき、誰にジブリを頼んだらいいのかと考えているうちに、宮崎駿の長男の吾朗くんにすべてを託そうと思っていたのですが、彼の方から『一人でジブリを引き受けるのは難しい』という申し出がありました」と経緯を説明する。
鈴木は「宮崎駿自身も、吾朗くんに継がせるのは反対だと話していたんです」と裏話を披露すると「確かにジブリは一人で背負うのは大きな存在になりすぎた。そのなかで個人ではなく、大きな会社の力を借りないとうまくいかないんじゃないか、社員が安心して働けないんじゃないかと思って、日本テレビさんにお願いしました」と語る。
経営面は日本テレビで、作品作りはスタジオジブリでというスタンスで今後は展開していく予定だという。新体制では、宮崎駿は取締役名誉会長に、鈴木は代表取締役議長に、代表取締役社長は日本テレビ取締役専務執行役員である福田博之が務めることになる。
会見に出席した日本テレビ代表取締役会長執行役員の杉山美邦は「ジブリさんとは、作品への出資や、金曜ロードショーでのコラボ、ジブリの森美術館への協力など、多層的な関係性を築いてきました」と述べると「鈴木さんたちの提案を真剣に受け止めて、今回の決定にいたりました。ジブリがこれから発展、成長していく面でお役に立てることがあるだろうと思っています。経営をサポートして、いま以上にアニメづくりを円滑にできるように支援していきたいです」と意気込んでいた。
また現在公開中の映画『君たちはどう生きるか』について鈴木は「宮崎はかつてないぐらい興行収入を気にしていました。もし支持してくれる人がいるならば、今後企画までは考えていいかなと謙虚に言っていました」と今後について述べると「難しいと思っていたのですが、ちゃんと採算もとれています」と好結果になっていることを明かしていた。
会見には、鈴木、杉山のほか、福田、代表取締役副社長となる中島清文も参加した。