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『ザ・クリエイター』なぜ世界から高評価? 「今年の最高の映画」と早くも絶賛される魅力をひも解く

映画

『ザ・クリエイター/創造者』場面写真
『ザ・クリエイター/創造者』場面写真 (C)2023 20th Century Studios

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 映画『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などで知られるギャレス・エドワーズ監督最新作、映画『ザ・クリエイター/創造者』が20日に公開される。先日レビューが解禁され、映画評論家を中心に「今年の最高の映画であり、過去最高のSF映画」など世界で早くも絶賛の声が相次ぐ本作。なぜこんなにも高い評価を得ているのか。他のSF作品との違いなどからひも解いていく。

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 『TENET テネット』のジョン・デヴィッド・ワシントンや、『インセプション』など数々のハリウッド大作に出演する渡辺謙ら、豪華キャストが共演を果たす本作は、AIの急速な進化と、それに伴う危機が度々叫ばれている現代から、そう遠くない近未来を舞台にしたSFアクション超大作。

 エドワーズにとって、映画監督になるという夢をかなえるために自ら製作会社に提案し実現した出世作『モンスターズ/地球外生命体』以来の完全オリジナル作品で、人類を守るはずのAIが核を爆発させ、人類とAIの戦争が激化する世界を描いている。

 そんな本作の強みは、前述した通り、“完全オリジナル作品”であること。「今日という時代にあっては、メジャー映画会社に“オリジナルのSFエピック映画を作りませんか”と説得するのはとても困難なもので、むしろほとんど不可能とさえ言えるほど」とエドワーズ自身も語るように、原作の実写化やシリーズ作品が増えている昨今、スケールの大きな作品を完全オリジナルで作ることは難しいとされているが、その状況を一変し誕生させたのが本作なのである。

 エドワーズは企画段階で、ロケハンという名目で実際にカメラを回し、そこから短編映画を制作し、それを持って製作会社を回り出資を取り付けたとのこと。斬新な発想とアプローチで関係者の心をつかんだエドワーズは、本作で監督だけでなく脚本も担当する。SFファンの彼だからこそ描ける、熱量のこもった作品と言えるだろう。

 また本作の魅力は、AIと人間の関係を超えた、リアルなストーリーにもある。人類を滅ぼす兵器を創り出した“クリエイター”暗殺の命を受け、捜索へと向かった元特殊部隊のジョシュア(ジョン)は、純粋無垢な超進化型AIの少女アルフィーと出会い、暗殺の対象だったはずの少女を“ある理由”から守り抜くことになる。

 エドワーズは、ジョシュアとアルフィーの物語に、今の時代を生きる人々へ、日々進歩をし続け人間に近い存在となってきているAIとの向き合い方を問いかけるようなメッセージを込めたのだそう。「好むと好まざるにかかわらず、現代はまさにAIにまつわる旅の途中にあります。本作では、AIはリアルなのか? 私たちが話しかけているそれは人なのか? といった、テクノロジーやAIについて多くの問いを提示しています」とコメントしている。

 また「一方で、この作品はおとぎ話でもあります」とも吐露。「ジョシュアは、ある理由により、不本意ながらも、アルフィーを手助けしなければならない。しかし、彼が本当にやらなければならないのは、その子を愛することなのです」と語り、ジョシュアとアルフィーの関係性の変化が、物語の重要な鍵を握ることをほのめかしている。かつてない世界観で描かれるAIと人間の関係を超えた、壮大な“愛”の物語は心揺さぶられること間違いなしだ。

 さらに、エドワーズのイマジネーションがさく裂した、本作の舞台となる近未来“ニューアジア”も注目ポイントの1つ。大のSFファンであるだけでなく、エドワーズは親日家としても知られており、本作には日本要素がふんだんに取り入れられている。世界各地で撮影に挑んだが、日本では新宿や渋谷でも撮影を行ったといい、映画の中では、日本人にとっておなじみの建物や日本語の表記も登場する。エドワーズはこの映画の構想のキッカケが、日本語の看板がかかっている工場だったことも明かしており、約50年後の世界で、日本がどうなっているのかも必見だ。

 エドワーズの得意とするSFというフィールドに、我々の身近に迫ってきているテーマを描くストーリーと、愛する日本の要素を掛け合わせた本作は、「ここ数年で最も創造的で、大胆で、先見の明のあるオリジナルSF映画のひとつ。ゴージャスな映像、見事な世界観、壮大な想像力に加え、タイムリーなストーリーなど魅力が満載」との評価も受けている。他のSF作品と異なる要素が合わさった本作は、私たちにどのような感動を届けてくれるのか。ギャレスが生み出す世界観を、劇場の大画面で味わい尽くしてほしい。

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