2023年の韓国映画賞を総なめにした映画『ビニールハウス』3.15日本公開決定! 予告編&場面写真解禁
第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得したキム・ソヒョン主演のサスペンス映画『ビニールハウス』が、3月15日より全国順次公開されることが決定。併せて日本版ポスタービジュアル、予告編映像、場面写真10点が解禁された。
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本作は現代の社会問題“貧困、孤独、介護…”に根ざした濃密なサスペンス。
ビニールハウスに暮らすムンジョンの夢は、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすこと。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。そんなある日、風呂場で突然暴れ出したファオクが、ムンジョンとのもみ合いの最中に転倒。床に後頭部を打ちつけ、そのまま息絶えてしまう。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症の自分の母親を連れて来て、ファオクの身代わりに据える。絶望の中でとっさに下したこの決断は、さらなる取り返しのつかない悲劇を招き寄せるのだった―。
主人公のムンジョンにふんするキム・ソヒョンは「綱渡りのような危うい人生を生きる彼女こそ、まさに私自身ではないかと感じ、最初に台本を読んだときには涙を流しました」と語るように、極限の感情表現を求められる新境地に挑戦。その熱演は、韓国のアカデミー賞と称される第59回大鐘賞映画祭をはじめ、第43回韓国映画評論家協会賞、第32回釜日映画賞、第43回黄金撮影賞などで主演女優賞ほか6冠の快挙を成し遂げた。
盲目の老人テガン役にはベテラン俳優ヤン・ジェソン。さらに本作で第44回青龍映画賞新人女優賞にノミネートされたアン・ソヨらがキャストに名を連ねる。
監督・脚本・編集を手掛けるのは29歳のイ・ソルヒ監督。監督自身の認知症の祖母と、祖母をケアする母親の関係性から着想を得てオリジナル脚本を執筆したというだけに、貧困や孤独、高齢者をめぐる介護や認知症といった社会問題に鋭く切り込みながら、ムンジョンの想像を絶する運命をスリリングに描出。新人監督としては異例の第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得し、第59回大鐘賞映画祭、第44回青龍映画賞の新人監督賞にノミネートされるなど、鮮烈な長編映画監督デビューを飾った。
日本版ポスタービジュアルには、「半地下はまだマシ」というキャッチコピーが添えられ、ムンジョンが暮らす、とある農村地帯にたたずむ黒いビニールハウスが切り取られる。『パラサイト 半地下の家族』(2019)でも注目を浴びた韓国の住居貧困。元々は作物栽培のための農業施設であるビニールハウスもまた、不動産価格の高騰や経済の低迷により、正規の住宅を失った低所得者層、移民労働者が転がり込むなど、半地下や屋上部屋よりもさらに「最底辺」住居として社会問題となっている。ムンジョンのシリアスな表情から、彼女の過ちが招いた運命の行方に想像をかき立てられる。
予告編映像では、訪問介護士として働くムンジョンの日常が、介護先の認知症の老婦人ファオクの死をきっかけに一転し、破滅へのスパイラルが加速する、緊張感高まる様子を収録。
場面写真10点には、介護先で献身的に働くムンジョンの姿や、盲目の夫が認知症の妻を老老介護する様子、夫がすり替えられた“妻”を疑うサスペンスフルな場面などが切り取られた。
映画『ビニールハウス』は、3月15日より全国順次公開。