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永瀬正敏原案&主演、喪失と再生の物語を描く『いきもののきろく』来年3.7公開&予告編解禁

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映画『いきもののきろく』メインビジュアル
映画『いきもののきろく』メインビジュアル

 永瀬正敏原案・主演による映画『いきもののきろく』が、2025年3月7日より全国順次公開されることが決定。メインビジュアルと予告編が公開された。

【動画】井上淳一監督の師である若松孝二13回忌イベントで上映された本作がついに全国公開! 映画『いきもののきろく』予告編

 2013年、『戦争と一人の女』の舞台あいさつで監督の井上淳一とシネマスコーレを訪れた永瀬は、支配人の木全純治よりとある短篇映画の監督依頼を受ける。それは名古屋市内を流れる中川運河という今はもう使われていない運河を舞台とした企画だった。奇しく中川運河は名作『泥の河』の舞台。永瀬は「出演はするが、監督は井上さんで」と言い、永瀬主演×井上監督での製作がその場で決定した。

 その2日後、井上のもとに永瀬から一本のプロットが届く。それは、誰もいない廃墟のような街でひとり筏(いかだ)を作り続ける男の話だった。そこにひとりの女が訪れる―。

 井上は永瀬のプロットに、東日本大震災後のイメージをプラスし、脚本を執筆。原発事故後の誰もいなくなった世界に取り残されたような男と女の話を作り上げた。そして、黒澤明の隠れた名作『生きものの記録』と同じタイトルを映画につける。『生きものの記録』は度重なる原爆実験による放射能の恐怖に怯えた三船敏郎がひとり孤独に狂っていく話だ。

 井上は「黒澤は狂っているのは三船か、何も感じないお前らか、と観客に問うている。これは三船のその後の話だ」と同タイトルをつけた理由を語っている。また、今年、『箱男』を観た井上は「これは、『箱男』を作れなかった時代の、永瀬さんの『箱男』ではないか」とも述べている。

 女を演じるのは、『福田村事件』のミズモトカナコ。当時、まだ京都造形大学の学生だったミズモトは永瀬相手に一歩も引けを取らない堂々たる演技を見せている。撮影は、『極悪女王』の鍋島淳裕。過去とも未来ともつかない世紀末的風景をモノクロ映像で見事に捉えている。プロデュースは木全純治。これは『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』コンビの初タッグでもある。そして主題歌は、昨年亡くなった「頭脳警察」のPANTA。寺山修司と高取英による詩にPANTAが曲をつけた「時代はサーカスの象にのって」がせつなく流れる。

 本作は2013年末に撮影。当時は47分の短篇を単独で上映する環境になく、翌14年にシネマスコーレのみで公開された。しかし、近年、『ルックバック』や黒沢清の『Chime』などのヒットにより状況が変化。24年、井上の師である若松孝二13回忌イベントで上映。そこでの絶讃を受け、ついに全国公開。幻の作品がここによみがえる。

 映画『いきもののきろく』は、2025年3月7日より全国順次公開。

 井上淳一監督のコメント全文は以下の通り。

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映画『いきもののきろく』予告編

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