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『JUNK HEAD』続編の制作現場に潜入! 人形&セットの数々に衝撃 監督が明かす秘話とは?

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堀貴秀監督(写真中央)の工房「YAMIKENスタジオ」1階のセットにて
堀貴秀監督(写真中央)の工房「YAMIKENスタジオ」1階のセットにて クランクイン! 写真:高野広美

 本職は内装業、独学で映画作りを身につけた孤高のクリエイター、堀貴秀監督。約4年を費やして製作した30分の短編をもとに、クラウドファンディングで出資を募集。追加撮影を行い、実に7年の歳月をかけて長編化した映画『JUNK HEAD』は多くの観客を集め、鬼才ギレルモ・デル・トロ監督も絶賛。世界の映画祭を驚愕させ、数々の伝説を残した。前作の公開から4年、更なる深化を遂げた続編『JUNK WORLD』が遂に完成。あのダークでユーモラスな未知の異世界が、再び帰って来る! 6月13日の劇場公開に先立ち、JUNKなキャラたちが蠢く堀監督の工房が公開される絶好のチャンスが到来。クランクイン!取材班も現場に駆けつけ、カメラを手に隅々まで徹底チェック。ひと足早く、待望の新作『JUNK WORLD』の世界を探訪した。

【写真】撮影に使用した“人形&セット”がいたるところに! 制作現場を探索

■JUNKな異世界への扉を開く、堀監督の工房に潜入!


堀貴秀監督の工房「YAMIKENスタジオ」の外観
 堀監督の工房「YAMIKENスタジオ」は2階建て。元々は冷蔵倉庫で、何もない大きな空間に作業場や撮影セット、PCルームに録音室を配置。増築された中2階には人形や小道具が所狭しと並べられ、工房の入口脇にはビニールハウス状の別棟「テント」が設けられている。YouTubeの「YAMIKEN STUDIO」チャンネルにも2022年11月に撮影されたスタジオ案内動画があるが、現在はだいぶ様子が変わった印象だ。

別棟の「テント」 左奥には、前作で使用された「研究室」のセットが
 2025年4月末に取材した時点で、新作『JUNK WORLD』は最終仕上げの真っ最中。「こんにちは~」と取材陣の前に飄々と現れた堀監督は、まず別棟の「テント」へ。『JUNK HEAD』の製作時に建てられたこの場所は、大型の木工作業場兼、資材置き場。その奥には前作で使用された「研究室」のセットが保存されている。

「研究室」のセット
 1/6スケールながら、リアルで緻密な作り込み具合を間近で見られて大感激。当初はセットの照明に冷蔵庫用の豆電球を使っていたが、途中からLEDに変更。「長持ちするし、明るいし、消費電力も少ない。でも、豆電球は黄色系の照明。編集時に青味を足して調整したけれど、雰囲気が変わったかも」と、監督は早速ディテールへのこだわりを見せる。

岩肌を模した板壁
 また、予算の都合で映画の舞台は地下世界に設定。岩肌を模した板壁を使い回す節約術は今回も健在だ。「テント」はまさに『JUNK HEAD』の原点である創意工夫のDIY感覚が息づく場所だった。

3DCGについて説明する堀貴秀監督
 工房内に入ると、監督はまずPCルームに案内してくれた。ここは2022年のスタジオ案内動画では細かな造形をする作業場だったが、現在はパソコン机が並んでいる。「今回一番大きく変わったのは造形にCGと3Dプリンターを導入したこと。前作では全て手作業で、粘土をこねるところから始めて、人形の原型もひとつひとつ作っていたんですよね」。

 もちろん、3DCGにも限界があり、背景などはアップで拡大すると絵がガタガタに荒れるので、更に細かく作り込む必要があった。しかし、造形も修正も簡単で、作業面ではグッと楽になった。「とはいえ、昔なら諦めていた細部がいくらでも掘り下げられるので、気にするとキリがない。結局、時間的には短縮になっていないかも」と監督は笑う。

 飛行艇などのメカ類もまずは監督がイメージイラストを描き、モデリングソフトで修正後、3Dプリンターで出力する。着色は手作業だが、同じモデルを複製する場合は格段に手間が省ける。「ただ、スタッフは基本的に映像経験がないので、全部ゼロから勉強したんですよ」と監督。「頑張ればフルCGで行けたかもしれないけど、CGを使いこなせる人間が誰もいなかった(笑)」。

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■肉色の腫瘍に浸食された異世界セットへ

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映画『JUNK WORLD』本予告

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