『JUNK HEAD』続編の制作現場に潜入! 人形&セットの数々に衝撃 監督が明かす秘話とは?
巨大なセット
次に案内されたのは、工房で最も大きい部屋。ここには撮影用のセットが組まれ、今にも動き出しそうな肉色の腫瘍に侵食され、廃墟となった街が佇んでいる。セットの床板は奥まですべて取り外し可能で、カメラの位置を自由に調節できるようになっている。
巨大なセット内にある看板、ロボットの墓場
腫瘍に埋もれて辛うじて見える看板には、クラウドファンディングに名乗りを上げた方々の名前が刻まれている。奥の一角にはガラクタが積まれたロボット墓場があり、「有名なあのキャラたちも紛れ込んでるかもしれません(笑)」と監督がポツリ。
録音室
壁を隔ててセットの隣にあるのが録音室。3.5×7メートルほどの空間でキャラの台詞をアテレコし、効果音も自作自演で録音する。しかし、防音設備が簡素なため、工房前の道路をトラックが通ればエンジン音が響き、自然豊かな環境ゆえに鳥の声が入ってしまうこともあるんだとか。
人形&小道具置き場でほほ笑む堀貴秀監督
今度は増築された中2階へ。ここは人形と小道具置き場になっている。『JUNK WORLD』のメインキャラ、ロボットのロビンを筆頭に、個性豊かな無数の人形たちがズラリと並ぶ。特に動かしていて楽しかったキャラを聞くと「人工生命体マリガンの教祖かな……理由は本編をご覧になってのお楽しみで」とのこと。
(写真右)『JUNK HEAD』の名物キャラ「3バカ兄弟」
前作では人形は全て粘土で原型を作り、石膏で雌型を取る。粘土を抜いて空洞になった部分に芯となる金属の可動骨格を入れ、液体のフォームラテックスを流し込み、80度で何時間か焼いて出来上がり。『JUNK HEAD』の名物キャラ「3バカ兄弟」を触ってもいいですよと許可を頂いたので、恐る恐る触れてみる。と、まるで赤ちゃん肌のようにモチモチでフワフワ。しかし、フォームラテックスは天然素材なのでカビも生え、経年劣化でボロボロになってしまう。「3バカ」も良く見ると、関節部分にひび割れが。そこで、今回はシリコンを素材に使用。耐久性も各段にアップしたそうだ。
触手のような生物の人形
岩肌から飛び出す触手のような生物もいる。調査チームの女性隊長であるトリスを刺し、足が生えて逃げてゆく異生物だ。『JUNK WORLD』には不思議な変体を遂げる生物が続々と登場するが、監督は変体エイリアン映画の傑作『遊星からの物体X』は好きですか? と聞くと、「あ~あれ! 衝撃でしたね!」と笑顔に。