A24×セバスチャン・スタン主演『顔を捨てた男』役者魂さく裂の本編映像&場面写真解禁

セバスチャン・スタンが主演するA24製作の映画『顔を捨てた男』(7月11日公開)より、スタンの驚異の役作りが垣間見える本編映像と場面写真が解禁された。
【動画】実力派・セバスタの驚異の役作り『顔を捨てた男』本編映像
顔に極端な変形を持つ、俳優志望のエドワード。隣人で劇作家を目指すイングリッドに惹かれながらも、自分の気持ちを閉じ込めて生きる彼は、ある日、外見を劇的に変える過激な治療を受け、念願の新しい顔を手に入れる。過去を捨て、別人として順風満帆な人生を歩み出した矢先、目の前に現れたのは、かつての自分の「顔」に似たカリスマ性のある男オズワルドだった。その出会いによって、エドワードの運命は想像もつかない方向へと逆転していく──。
主人公エドワードを演じるのは、今年公開の『サンダーボルツ*』(2025)でウィンター・ソルジャー役を演じた俳優セバスチャン・スタン。スタンは、アメリカ現大統領ドナルド・トランプの半生を描いたアリ・アッバシ監督作『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』(2024)でトランプを演じ、第97回アカデミー賞(R)主演男優賞にノミネート。日本でも公開された際、トランプ本人に酷似した細かい表情や独特の歩き方、姿勢、佇まいなど、念入りな研究を重ねたと思われる演技で観客を驚かせたことも記憶に新しい。
そんなスタンが本作で演じたエドワードは、見た目の特徴から、自分に自信が持てない極度に内気な男。映画の前半では顔に大掛かりな特殊メイクを施し、顔を変えた後には別人ガイとして生きる。しかも、かつての自分に似た人物が現れるという、複雑な境遇と感情を持つキャラクターだ。
スタンは脚本を読んだ当時を振り返り「ここ5年ほど、私は挑戦的に感じられる作品、つまり変革の要素がある作品に惹かれてきた。肉体的な変化だけでなく感情的なレベルでも、この作品は非常に新しい領域だった」とコメント。
そして、より深く役を理解するため同じ症状をもつ当事者への取材も敢行。さらに、撮影の合間には演技を掘り下げるため、特殊メイクをした状態でニューヨークの街を歩き、地元のコーヒーショップにも入って周囲の状況を観察した。そこでほとんどの客が自分と目を合わせなかったそうで、「彼の病状についてできる限り理解しなければならないという大きな責任を感じた。見知らぬ人々の反応を吸収できたのは重要な体験だった」と述懐した。
なおスタンは本作で、主演のほか製作総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)も担当。ヒロインを務めたレナーテ・レインスヴェのキャスティングや特殊メイクを手がけたスタッフへも自ら依頼した。そして全身全霊で挑んだエドワード役の演技で、第74回ベルリン国際映画祭にて主演俳優賞、第82回ゴールデングローブ賞で最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ)を受賞するなど、国内外で数多くの賞を受賞。第97回アカデミー賞(R)にてメイクアップ&ヘアスタイリング賞にもノミネートされた。
本編映像は、新しい顔を手に入れ、夜の街に繰り出したエドワードを捉えたシーン。まだ実感がないのか、鏡に映った自分を見て戸惑いの表情を浮かべているように見える。その後、以前も訪れたことがあるバーに入るが、以前とは顔が違うエドワードに気づく人はもちろんいない。カウンターでウイスキーを注文し、店員から「氷は?」と聞かれると「薬効を薄めたくない」と返答。治療薬により変わった自分が元の自分に戻らないか不安げな表情だ。そしてウィスキーをあおると、周囲のハイテンションな客に感化されたように高揚していく…。
この場面で流れている音楽は、パンクバンドTeddy & The Frat Girlsの「I Owe It To The Girls」という曲。「I've got the clap, I'm going crazy, I'm getting sick, I'm feeling lazy~」という歌詞からは、実は大声をあげたいが性格的にそうは出来ないエドワードの「気が狂いそうだ!」という混乱ぶりを表現しているように感じられる。
場面写真は、同シーンの後、夜の街に出たエドワードと鏡に映るエドワードの表情を切り取ったもの。さらに、エドワードの部屋に飾ってある母親との2ショット写真が登場するシーンも。これは、なんとセバスチャン・スタン本人が幼少期に母親と撮ったもので、美しい母親の横顔と丸い頬が可愛らしいスタンを収めた貴重な1枚となっている。このシーンが本編のどこに登場するのか注目だ。
映画『顔を捨てた男』は、7月11日より全国公開。