芳根京子×高橋海人『君の顔では泣けない』、キーパーソンに中沢元紀 新キャスト発表
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■大塚寧々:水村渚役
その題名、どういう意味なのか、何が起こるのか、色々な想像を掻き立てられました。その秘密は少しずつ明かされ、あっという間にその世界に引き込まれました。入れかわってからの15年だけではなく、その後の15年も丁寧に描かれている事に驚き、素晴らしい物語だと心から思いました。
陸とまなみ、その役を生きる芳根京子ちゃんと高橋海人君の役に真っ直ぐに向き合う二人の瞳が切なくも強く美しい。ありえないと思う事が起きた時、人はどう向き合うのか。驚き戸惑いながらも、どう生きていくのか。今までは自分のことだけ考えていたけど、入れ替わることによって相手のことも考えなくてはならない、一人ではない、二人の決断、そして周囲の人々の気持ちと行動。親としてどうすればいいのか、何が出来るのだろうか。「私が救われたように、私もいつでも救い続けるよ」という劇中の言葉が心の奥深くまで届きました。人としての優しさ、温かさに溢れている作品です。
■赤堀雅秋:水村治役
とにかく今、誰と喋っているのか常に混乱してた記憶です。父親役の自分でさえそうなのですから主人公のお二人はおそらくノイローゼ。ま、本来の人生でも「自分が何者なのか」に翻弄され続ける日々。だからきっと、そんな映画なんだと思います。
■片岡礼子:坂平葉月役
最初は身体が入れ替わると生活の何がどうなるのか興味が沸き、戻れないならどうするかと想像すると、絶望感と孤独が押し寄せてきました。最後まで想像が追いつかない脚本でした。
芳根さん、高橋さんとの共演を振り返ると涙目になります。なぜなら二人は、映画の中の置かれた立場の混乱を受けとめ、真摯に考え抜くことで新たな壁にぶつかり続けていたからです。俳優として苦悩の連続だったと思われます。ひたむきに二人がこの役を生きてくださることが、状況を分からない親の役として救いでした。二人の真摯さを包む現場も素敵でした。監督が丁寧に向き合ってくださることで、体験したことのない設定も悩み過ぎずに過ごせました。
いま見えている世界は、一つではないのかもしれない。それでも人が愛おしい存在であることに変わりはないと感じられる映画です。この映画を観終わった後は、世界が変わって見えると思います。ぜひ劇場でお楽しみください。
■山中崇:坂平春樹役
陸の父、坂平春樹を務めました。
入れ替わってしまうという運命の悪戯に、前を向いて日々を懸命に生きる陸とまなみのふたりの姿がとてもたくましく、そしてとても愛おしく感じられました。
脚本を読んで、世界は自分を映す鏡。という言葉を思い出しました。もしかしたら僕はあなただったかもしれない、あなたは僕だったかもしれない。その想像力があればきっと、人にやさしくなれる。この作品はその大切さを語りかけてくれているように思いました。いま、この時代にこそ、響いてほしいと思います。ご覧いただけたら嬉しいです。