シム・ウンギョン主演、三宅唱監督作『旅と日々』旅情感溢れるカットに幸福な予感――本予告&ビジュアル解禁

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シム・ウンギョンが主演する三宅唱監督最新作『旅と日々』より、旅情感溢れるカットが幸福な予感を呼び起こす本予告と本ビジュアルが解禁された。
【動画】行き詰まった脚本家が、旅先での出会いをきっかけにほんの少し歩みを進める――『旅と日々』本予告
本作は、『ケイコ 目を澄ませて』『夜明けのすべて』など、現代日本映画界を牽引する存在として世界的に注目を集める三宅唱監督が、つげ義春の「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を見事な手腕で現代的にアップデートしたロードムービー。
主演は、韓国出身ながら日本映画界に不可欠な俳優となったシム・ウンギョン。べん造役には映画・テレビ・舞台と縦横無尽に活躍する堤真一、渚役には2024年に数々の映画賞を受賞した河合優実、夏男役には『流浪の月』に出演し注目を集めている高田万作が名を連ねる。そして、つげ作品に欠かせない俳優・佐野史郎がひとり2役で花を添える。
このたび解禁となった本予告は、佐野演じる魚沼教授が「いまはなにか新しいものを書いているんですか?」と脚本家・李(シム・ウンギョン)に尋ねるシーンから始まる。「はい、でもあんまりうまくいっていません…」と自信なさげに答える李。「気晴らしに旅行にでも行くといいですよ」という教授の言葉に導かれるように、李はひとり北国を訪れる。
たどり着いたのは、ものぐさな主人・べん造(堤)が営む、雪深い山奥の古びた宿。脚本を書いている李に、べん造は「幸せな気分さ、なる話はどうだや?」と問いかける。ある夜、べん造が「よし、今から行ぐか」と李を夜の雪原へと連れ出す――。
並行して描かれるのは、李の脚本世界。「シーン1、夏、海辺」。強い日差しが照りつける人気のない浜辺で、夏男(高田)はどこか陰のある女・渚(河合)と出会う。「こんなところがあるなんて知らなかった。生き返ったって感じ」とつぶやく渚のセリフに呼応するように、雪のなかで目を閉じ、周囲の音に耳を澄ます李の姿が映し出される。
「いやあ、でもなかなかおもしろかったです。久しぶりに、楽しいと思いました」とほろ酔いの様子で話す李に、べん造は「おめぇはべらべらとよくしゃべるのう」と返す。素朴な言葉のやりとりが醸し出す、親しみとユーモア。
『きみの鳥はうたえる』『夜明けのすべて』に続きタッグを組んだHi'Specが手がける音楽は、物語にどこか懐かしくも新しい感覚を与えている。「特別じゃない旅が、ちょっとだけ毎日を変える」というコピーが示すように、旅先での見知らぬ誰かとの出会いが、ほんの少し、それでも確かに人生に変化をもたらすかもしれない――幸福な予感に満ちた予告編となっている。
あわせて解禁された本ビジュアルでは、雪景色のなかでカメラを構える李、桶と網を携えたべん造、そして海辺を歩く渚の姿をレイアウト。そこに、李の旅と創作の日々を切り取った写真がアルバムのように並んでいる。
映画『旅と日々』は、11月7日より全国公開。
※高田万作の「高」は「はしごだか」が正式表記